人民解放軍の新型中距離弾道ミサイル、東アジア安保に脅威=米シンクタンク
【大紀元日本7月24日】中国国内の「新浪ネット」(中国国内検索サイト)の軍事カテゴリで、中国が在来型の東風-25(DF-25)短距離ミサイルを改良して、新型の中距離弾道ミサイルを開発したという案件がこのほど明らかにされた。これにより、中国の軍事力拡張問題が、再び米軍関係者に注目されている。米軍関係者の認識によると、新型の東風-25中距離弾道ミサイルは、日本、インド、そしてアジア地域における米国の同盟国に向けて配備されたもの。米紙「ワシントン・タイムズ」によると、この新型中距離弾道ミサイルは中国が核兵器その他の軍事兵器の開発を依然として加速させていることを意味しているという。新型ミサイルについて、中国政府当局のコメントはない。
米シンクタンク「国際評価戦略センター(IASC、ワシントンDC)」が発表した報告書によると、中国人民解放軍は東風-21(DF-21)短距離ミサイルを改良し、先端誘導装置を配備した弾頭を取り付けた新型ミサイルが、米軍の航空母艦に脅威を与え、また中国のミサイル脅威で日本政府やインド政府が米国とのミサイル防衛提携を強化せざる得なくなるという。
同報告書を作成したリチャード・フィッシャー氏は、「専門家の認識によると、新浪ネットで掲載された写真は新型東風-25ミサイルで、同ミサイルは台湾への攻撃や、または日本及びその地域に配備されている米軍軍事施設を攻撃するときに使用されるものだ」と話した。
国際評価戦略センターが発表した報告書によると、MIRV(複数目標多弾頭)の新型東風-25中距離弾道ミサイルの射程距離は2993キロメートルというが、一方、中国の新浪ネットによれば、同ミサイルの射程距離が約3200キロメートルで、中国本土から発射した場合グアムの米軍基地をアジアの大部分の地域に着弾することができ、同ミサイルは最大三つの核弾頭を同時に搭載することができるという。
フィッシャー氏は、「東風―25」を改良した新型の短距離ミサイルは、中国はじめての地対艦ミサイルで、主に米軍の航空母艦とその他の軍艦を攻撃するときに用いられる、と話した。国際評価策略センターが発表した報告書では、強固なミサイル防衛能力を備えられている大型の護衛艦がないため、中国の新型短距離ミサイルは米国の戦艦に強い脅威を与えていると警告している。
中国国内の軍事情報検索サイトによると、「東風-25」ミサイルは、「東風-21M型」ミサイルを基に開発され、同ミサイルにより多くの新型誘導またシステムが取り付けられて、誘導弾頭の数も増やされた。さらに、新型東風-25ミサイルは、レーダーの赤外線フォーミングから補足されにくいステルス性の弾頭仕様となっており、発射しても相手側に気づかれにくいのが特徴だという。
技術の改良につれ、新型東風-25中距離ミサイルは中国の周辺の国と地域に大きな脅威を与えることとなる。もし、東風-25をプロトタイプとして、潜水艦発射型の核弾頭巡航弾道ミサイルが新たに改良型として開発されれば、日本などを含むアジアの同盟国に駐屯する米軍のミサイル防御システムにとっては、新たな挑戦となるに違いない。
フィッシャー氏は「ワシントン・タイムズ」紙に対して、「新型東風-25ミサイルから分かるように、中国は地域間のミサイル軍事力の増強を進めている可能性が大きく、今後中国の軍事力が引き続きインド、ロシア、日本、朝鮮半島、そして東アジア地域に配置されている米軍駐留部隊にも、大きな脅威となるに違いない」と述べた。