肉まん偽造報道事件:中国人作家、政治的背景を分析

【大紀元日本7月27日】中国食品汚染問題をまとめた著書『民以何食為天』(民はどんな食を好んでいるのか)で、ドイツ・ユリシーズ国際報告文学賞を受賞した北京在住の中国人作家・周勍氏は、「ダンボール肉まん事件」に潜む政治背景に注目するよう呼びかけ、国際社会に対し、逮捕された北京テレビ局の若い記者の正当権益を関心・保護するよう懇願した。自由アジアラジオ(FRA)が報じた。

長年来、中国の食品汚染問題を研究してきた中国の知識人・周勍氏は2006年、著書『民以何食為天』の著書でドイツ・ユリシーズ国際報告文学賞を受賞した。それをきっかけに、ドイツと欧州社会は同氏の研究に注目するようになった。

このほど、北京の露店でのダンボール肉まん事件を報道した北京テレビ局は謝罪し、同報道は捏造と公表。中国当局は番組制作に関わる責任者を逮捕した。それについて、周勍氏は自由アジアラジオ(FRA)で述べた内容は次の通り。

私はいかなる事についても、意見を表明するタイプではないが、今回は初めてメディアに自ら問題を提起する。

中国食品安全の現況は、2004年の自著『民以何食為天』を書き上げた当初とはあまり変わっていない。今回の肉まん偽造事件で、私が最も驚いたのは、国内外の中国語メディアはほぼ同じ歩調を取っていること。非常におかしいのは、いわゆる国内の政権異見者、社会の良識すらも、この事件はめったにない偽造報道と称している。この人たちはまるで中国で生活したことがないのようだ。中国では偽造報道は氾濫している。もし、今回の肉まん偽造事件を偽造報道とするならば、むしろ、最も巧妙に仕組まれ、成功したケースである。いまは、テレビをつければ、その報道のほぽ8、9割はうそだからだ。

一部の人は、食品の偽造問題の根源は出稼ぎ労働者であり、都市部に入った彼らは、農村での悪習を持ち込んだと指摘している。実際には、私が2004年から強調し続けてきたのは、偽造問題の根源は、出稼ぎ労働者ではなく、大企業と、巨額な資本を運営できる人たちだ。実例を挙げて説明する。某有名な乳製品製造企業は、賞味期限切れの牛乳の生産日付を改ざんして出荷した。当時、中央テレビも本件を報道したが、瞬く間に報道は完全に消えた。企業が巨額な資金を用いて、背後でメディアを操作したからである。メディアは二度とこの件を報道しなかった。今回、肉まん偽造事件を報道した記者を逮捕したことで、メディアの口が封じられた。これからの食品安全問題はますます深刻になるはずだ。メディアは二度と同様の事件を報道する勇気がなくなる。

中国での食品安全問題は、その他のすべての問題と同様に、いわゆる政治背景が存在している。

どうして、政府がこんなに高いテンションで本件を処理しているのか。理由は非常に簡単。一つは、中国の食品安全問題は国際社会で非常に大きな反響を起こし、場合によっては、中国と欧米諸国との新しい貿易戦争を引起しかねない。さらに重要な理由は、本件は北京で発生し、現地の闇勢力の利益に触れた。彼らと結託する政府機構は、「行政管理能力」が低いとされ、面子が損なわれた。旧ソ連のように、官僚体制の利益ネットワークに触れてしまった。如何なるものは、この官僚体制の利益ネットワークと衝突すると、死ぬ道しか残されない、死んでも葬る所がない。

肉まん偽造事件は、一部の政府機構の面子を損なった。その面子は昇進問題にも関連、さらに今年秋に開かれる第17回全人代を前に、社会の安定に影響するかもしれない。一連の問題には、背後の要素が潜んでいる。表向きの問題は、根源ではない。

取材の最後、周勍氏は、今回の事件への追跡調査を詳細に明した上、重要な問題として、逮捕された記者の権益を守ることを強調した。

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