北京五輪会場周辺住民、12日間連続座り込み抗議

【大紀元日本7月28日】2008年北京五輪開催日までカウントダウンする時計が随所に設けられている中、五輪会場の中心になる北京朝陽区原大屯郷大屯村の住民は、すでに12日間にわたり北京「華匯」不動産開発センター入り口前で座り込み抗議を行い、当局に対して住民らの不動産権利書および立ち退きに関連する補償問題の解決を求めた。しかし、いまだにどの部門からも回答はないという。

*当局「3点xun_ネ内に住民の抗議を鎮める」命令を下達

地元政府は「社会公益性緑化隔離区」であることを理由に、大屯村の千人近い住民に対して立ち退きを強要したのち、家屋を強制的に取り壊した。大屯村の住民・蕭さんによると、抗議に参加した住民らはすべて自発的であり、毎日300~400人が座り込みをし、多いときには700人あまりがいたという。当局はすでに緊急措置を施し、警察車両および保安を増加した。さらに、関係部門の合同会議が25日に開かれ、会議参加者にそれぞれ50元(約770円)が支給され、住民各戸に対して座り込みを止めるよう働きかけたという。さらに、立ち退き現場で「横断幕を掲げることは、大勢の人を集めて騒ぎを起こすに等しい。言うことを聞かなければ逮捕する」という放送を流したという。

住民の許さんによると、連日気温が高く、座り込みの住民らは熱中症にかかった人もいたという。抗議では、スローガンを叫ぶ人もいなければ、衝突もなく、横断幕は最初のときに掲げたが、25日に大勢の警察と保安が現れ、横断幕を強制的に取り外そうとし、それを守るために、住民らは自ら下ろしたという。

情報筋によると、この地区は官民結託に係わっているという。ここ数日間、北京市上層部が現場を秘密裏で訪ね、当局担当者に対して、3点xun_ネ内に座り込み抗議活動を鎮圧しなければ、担当者は辞職し責任を取らなければならないと示唆したという。

定年退職した元幹部の李さんは、ここの土地は集団土地に属し、規定によると、政府が収用する際、損失を補償するほかに土地補償金も支払わなければならない。しかし、住民らは誰も受けていないという。当局立ち退き部門は、許可なしで強制的に立ち退きしたと指摘した。李さんは、「多くの補償は規定通りになっていない。一部の補償金は開発企業が押さえたことは当局も知っているのだ。住民は土地を失い、生活の術もなくなった。未だに不動産権利書ももらっていない」と嘆いた。

*緑化隔離区でゴルフ場建設、強制立ち退き

地元政府は緑化隔離区と名づけた地区は、開発建設企業がゴルフ場および高級住宅の建設に使用されるという。開発建設企業「華匯」は、元大屯郷政府の傘下企業で、ゴルフ場に投資している。一方、強制立ち退きされた住民らは、裁判所に対して今回の立ち退きは違法行為であるとし提訴したが、これに対して、李さんは勝訴の可能性が極めて小さいとコメントした。

李さんの立ち退きされた住宅はゴルフ場の中心に位置しており、開発建設企業は緑化の名義にて申請しながら、ゴルフ場の建設を行っていると指摘し、上層部の批准を得ていないとし、違法資料を持っている李氏は、落ち着く場所がなくなった状況下、住民らが中南海(訴えを受け付ける場所)へ直訴したが、途中で強制連行され、20数人が勾留されたという。

*人力と財力を無駄にする北京五輪

李さんは、国家が貧困な状態の下に五輪を行うこと自体が、人力と財力を無駄にすることだと指摘した。李さんは、共産党は捏造や詐欺によって、住民らから土地を騙し取ってから、さらに外国人を騙そうとしている。

李さんは、住民は直訴すれば、罪名を着せられ、基本的な生存権利がなく、外出時に尾行され、電話は盗聴され、衣食住行はまったく自由がないと指摘した。北京民主活動家・劉京生氏は、五輪は一部の政府部門が社会公衆利益に対して、合法的な搾取手段になったとし、五輪建設中、官権が突進すれば、民権が後退すると指摘した。

住民らは現在全員が憤激しており、問題解決しなければ抗議は止めないとしている。これに対して、当局も各種手段を用い、住民の座り込み抗議を阻止しようとしているが、住民らは海外のメディアに関心を寄せるよう呼びかけた。

座り込みする住民(大紀元)

立ち退きされた地区、五輪関係施設が建築される(大紀元)

北京華匯不動産開発センター(大紀元)

(記者・古清児)

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