中国の文盲、大幅に増加
【大紀元日本8月7日】中国政府は長年、文盲を減らす政策を実施してきたが、中国の文盲率は上昇する一方であることが分かった。
中国の文盲人口は、インドに続き世界二位である。中国メディアの報道によると、2002年の時点で確認された中国の文盲は8507万人。その内90%は農村人口で、7割は女性である。2002年、中国政府は、成人の文盲率は1992年の22.23%から8.72%まで減少したことを強調し、その後の4年間で学習能力のある15歳から24歳の文盲を全てなくすと発表した。
しかし今年4月、中国の英字紙「China Daily」(中国名:中国日報)は、中国の文盲問題が再燃していると報じた。同紙は、中国教育部の高学貴氏の話として、中国では文盲が2000年から2005年の間に3000万人増え、2005年末時点で1億1600万人に達しており、世界の文盲の11.3%を占めている。特に、人口密度が高い中部と東部地区で文盲の数が明らかに増えており、山東省だけで963万人の文盲がいると報じた。
ところが2日後、「China Daily」は、高学貴氏の挙げた数字は公式のデータではなく、文盲の数は実際には下降傾向にあると訂正した。これは、「China Daily」が何らかの圧力を受けたことによると見られている。
腐敗が農村の初等教育に影響
中国では教育の分野における腐敗が農村の初等教育に悪影響を与えている。米国在住の社会学者・劉暁竹氏によると、農村に教師や小学校は存在しているが、多くの学校は教師の給料を払えないという。なぜならば、金は全部政府部門に流用されており、農村には教育のための財源がなくなってしまうからだという。
九十年代、中国の地方政府は多額の教育経費を基礎施設の建設に流用した。その結果、教育部門は経費不足に落ち込み、学校を閉校したり、多額の授業料を徴収したりして、貧困の農村部に大きな損失と負担を与えた。
知識無用論
中国教育部の高学貴氏によると、中国の文盲を無くすための財源は現在、800万人民元で、文盲1人あたりわずか0.07元しかない。高氏はまた、市場経済の導入により、農民の出稼ぎが増え、九年間の義務教育が重視されなくなったことも文盲増加の原因であると言う。
劉暁竹氏も、VOAラジオのインタビューで同様の問題に言及した。現在多くの人は教育を重視せず、学ぶことは無駄だと考えている。多くの大卒の若者は就職できず、国家の教育に問題があることを物語っている。教育の失敗は、今後発展を続けさせられなくなるということであり、教育腐敗を防止するための法案を可決すると同時に、国は教育への投資を拡大すべきだと主張した。