中国広東省:外資系携帯部品製造工場、工員千人ストライキ

【大紀元日本8月22日】広東省深圳市は8月20日、有名ブランド携帯電話の部品を製造する宝安西郷航城航業飛煌世亜電業(深圳)有限公司(以下、飛煌工場)の工員千人以上が、大幅の減給および仕事の大量増加に対して、合理的待遇を求めるために、道路を遮り抗議し、ストライキを行った。一部の工員は当局に拘束され連行された。

*会社側の大幅な減給に抗議

工員らが提出した「工員の心の声」陳情書の中で、2006年末以降、会社上層部はさまざまな手口で、工員たちの賃金を下げ、昨年同期比賃金は50%も減少したと指摘し、仕事の量は却って倍に増えたと訴えた。それに加え、現在の生活物価、家賃を合わせたら倍以上に値上がりしている状態の下、現在の生活物価、家賃が倍以上上がっていることから、工員たちの生活は維持し難くなっていると訴えた。

20日午前7時30分、数百人の工員は107国道横の南泰天橋に集合していた。のち、さらに多くの工員が集まり、最終的に千人以上が集まった。深圳市治安隊および警備隊も現場に到着した。工員たちが移動し始めると、一部の工員が警察に空き地へ追いやられ囲まれ一時拘束された。暫らくして、100人の機動隊がヘルメットを被り、防弾チョッキを身に着けて、防御用盾を持ち、現場に駆けつけた。当局側は500人を出動させ、ストライキに参加した工員たちを囲んだ。特に国道側の機動隊は盾を使い、工員たちに体当たりし、それに対して抗議した工員が警察に連行されたという。

現場に現れた工場上層幹部6~7人は、工員に対して代表を選出し、工場内で話し合うようメガホンで呼びかけた。一方、工員たちからは、連行された工員を先に解放するよう求めた(写真提供・大学教師生徒監察無料企業行動)

*男性行員、暴力で足骨折

目撃者によると、1人の男性工員の足が殴られ骨折になってから警察に連行されたという。また、他にも3~4人が連行されたという。それに対して、工員たちは警察に対して工員の解放を求めた。

午前9時半、会社側上層幹部6~7人が現場に現れ、メガホンで工員に対して代表を選出し、工場内で話し合うよう呼びかけた。一方、工員たちからは、連行された工員を先に解放するよう求めたが無視されたため、上層幹部の話は工員の強烈な抗議により中断された。幹部らは工員たちからの返答がないことで、すごすごと立ち去った。

同9時45分、自称・党委書記(西郷鎮)を名乗る者が現場に現れ、工員に対して、合法的手段によって権益を獲得するよう説得したが、工員たちの実際の問題の解決ができないため、工員たちの反応もなかった。最終的に自称「宝安労働局の陳局長」が、会社側上層幹部を残し、工員代表と、三者による話し合いを提案した。

提案に対して、工員たちは自分たちの代表が報復される恐れがあることから拒否し、それぞれが代表であると主張した。工員たちは「工員の心の声」陳情書を「陳局長」に手渡した。

現場に現れた工場上層幹部6~7人は、メガホンで工員に対して代表を選出し、工場内で話し合うよう呼びかけた。一方、工員たちからは、連行された工員を先に解放するよう求めた(写真提供・大学教師生徒監察無料企業行動)

*沈黙の羊にならないと表明

工員たちは生活のために、会社側の理不尽な搾取に対し、沈黙を打破すると表明し、①賃金の調整(賃上げ)②住宅及び食事手当てを上げる③福利条件を改善し、高温、有毒、室外作業および職業病をもたらし易い仕事を持つ工員に対して、合理的手当てを与え、定期的に職業病の検査および健診を行う④当直する工員に対して手当ておよび保証を与える⑤工員のために、会社側が失業、出産、入院および労働基準法に定められた保健に加入する⑥工員たちの飲み水の衛生問題を改善(作業場内の飲み水はろ過されておらず、異臭がする)⑦残業内容を合理的に整理する(所謂残業とは、通常の仕事のほかに新たな仕事をこなさなければならない。残業時、2人分の仕事を1人に加担させる)を求めた。

また、工員は、組合はそれなりの力を発揮すべきだとし、組合の核心には一般工員が関与すべきだと指摘した。

8月20日、工員千人が不当に賃金を下げられたとして、雇用主に抗議した(写真提供・大学教師生徒監察無料企業行動)

一方、警察は工員に対して、すばやく現場から離れなければ、10分後に強制的手段で工員を追い払うと威嚇した。午前10時半ごろ、工員は工場に向かって戻ったが、ストライキを継続した。一方、20日夜になっても、強制連行された工員たちの情報は一切なかった。会社側も工員たちの要求に対して、正式の回答はなかった。

飛煌工場はドイツ資本の独立出資企業であり、沙井博崗にある「深圳飛煌電業製品」および北京に支社を置く「飛煌世亜電子(北京)有限公司」は、CEAGA/FRIWOグループのメンバーである。飛煌工場は主に新型電子部品の製造を担当している。資料によると、FRIWOは世界において、携帯電話電源製品の主要供給元であり、現在2億個の携帯用充電器を製造・販売し、グローバル市場の23%を占めているという。顧客はNOKIA、MOTOROLA、SONY、LG、BIRDなどがある。

(翻訳・豊山)
関連記事
2023年5月25日に掲載した記事を再掲載 若者を中心に検挙者数が急増する「大麻」(マリファナ)。近日、カナダ […]
中国共産党が7月に反スパイ法を改正し、邦人の拘束が相次ぐなか、外務省が発表する渡航危険レベルは「ゼロ」のままだ。外交関係者は邦人の安全をどのように見ているのか。長年中国に携わってきたベテランの元外交官から話を伺った。
日中戦争の勝利は中華民国の歴史的功績であるが、これは連合国の支援を受けた辛勝であった。中華民国は単独で日本に勝利したのではなく、第二次世界大戦における連合国の一員として戦ったのである。このため、ソ連は中国で大きな利益を得、中共を支援して成長させた。これが1949年の中共建国の基礎となった。
香港では「国家安全法」を導入したことで、国際金融センターとしての地位は急速に他の都市に取って代わられつつある。一方、1980年代に「アジアの金融センター」の名声を得た日本は、現在の状況を「アジアの金融センター」の地位を取り戻す好機と捉えている。
米空母、台湾防衛態勢に 1月29日、沖縄周辺海域で日米共同訓練が挙行された。日本からはヘリコプター空母いせが参 […]