中国の豚大量感染死、専門家が当局発表に疑い    

【大紀元日本8月25日】8月23日、中国農業部は初めて、国内26の県で高病原性藍耳病」の発生を認め、6万8千頭あまりが感染死したと発表し、この伝染病は人間への感染がないと強調したが、国外の専門家は、同感染病は豚の大量死を招く可能性が低いと指摘、豚藍耳病ではない可能性を示唆した。

世界保健機構(WHO)は同日、報告書を発表し、伝染病は前例のない勢いで世界各地に拡散していることから、世界的な感染を引起す可能性を示唆し、各国に対し、感染状況の公開を要求した。これまでに半数以上の伝染病発生は、メディアが最初に暴露したと指摘した。

この半年間、中国では大量の豚が死亡し、豚肉価格が高騰した。中国当局は真相を公表せず、国際組織へのサンプル提供を拒否し続けている。

ニューヨーク・タイムズ紙などの国際メディアは、SARS発生時と同様に、中国当局が隠ぺい工作していると報じた。国外の専門家は、「藍耳病で、豚の大量死の可能性はない」と指摘し、中国国内で発生している豚の感染病は藍耳病ではない可能性を示唆した。

中国問題の研究者は、「中国当局による大規模な豚感染病の発表と、WHOの報告書の発表が同日に行われたのは偶然ではない。真相を隠せなくなったためではないか」と指摘した。中国当局は2003年、SARSを肺炎と発表。今回の豚藍耳病の信憑性も疑わしいと分析し、「人間に伝染しないと強調しているが、この言葉を聞くと、余計心配してしまう。なぜならば、長く中国で生活した人は皆知っているはずだが、中国当局の話は往々にして、事実と背反するからだ」と警告した。

WHOは8月23日に年度報告書を発表し、伝染病発生の通報などについて、WHOへの協力体制を強化し、早急なワクチン開発のために、ウィルスのサンプル提供などを加盟国に求めた。

中国農業部の報道官は、国内26の県で高病原性の「豚藍耳病」が発生し、約25万7千頭の豚が感染し、そのうち、6万8千頭が死亡したため、17万5千頭が撲殺された。長江流域の地区の感染は深刻であると公表した。

また、中国農業部は、「伝染の拡大を防ぐために、病死した豚の屠殺や、その肉の再利用、販売、転送などを禁止し、死骸の処理と、関連保健知識の宣伝強化など8項目の措置を実施」と説明した。

「中国動物疫病予防控制中心」の主任・張仲秋は、高病原性豚藍耳病はSARSのような人体への危害はないと話した。

専門家は、今回の豚感染病は藍耳病ではない可能性を指摘している。

イギリスのノッティンガム大学(University of Nottingham in England)獣医学部のマクオリスト教授は、「藍耳病に豚の感染病であるが、通常では、致死する可能性があまりない。中国当局が提示した証拠では、結論が出せない」と述べた。

国際獣医組織(本部・パリ)は、中国当局が同組織の実験室に感染豚の組織サンプルの提出を拒否していると明らかにし、「中国当局のこのやり方は非常に無責任だ。この感染病が他の国までに伝染される可能性があり、皆が被害を被ることになる」と非難した。

ニューヨーク・タイムズ紙の公式サイトは、中国四川省成都市近郊の農民の証言を引用、「この種のウイルスの伝染速度が非常に速い、村から村への拡散、いままでこのような状況がなかった」と報じた。

AP通信の今年6月の報道では、中国国内ですでに39万4千頭の豚が感染死したと伝えた。その数値は、中国当局が23日に公表した6万8千頭を大きく上回っている。

米国VOAは今年5月、広東省在住の農民の証言を引用、「感染は今年2月から発生しており、感染した豚の体は出血し、後に死亡する」と報じた。

豚の大量死により、中国国内では豚肉価格が高騰し続けている。中国国家統計局の最新調査によると、国内各大都市では、豚肉価格が20年来の最高値を更新した。

(翻訳・叶子)

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