政府関係者、ホームレスを山中に遺棄=中国陝西省

【大紀元日本8月29日】8月26日の北京「新京報」によると、中国陜西省民政幹部が人を雇い、地元の重病のホームレスを秦嶺山の標高1400メートル付近に遺棄し、餓死させた事件が発生したという。

報道では、今年6月30日、陜西省柞水県営盤派出所の警察が、黄花嶺トンネルで30歳代とみられる、細身・短髪で身長160センチくらいの男性の死体を発見したという。警察側は、最初は殺人事件として調査に乗り出し、二十人あまりの民間警察を派遣し身元調査を行った結果、男性は寧侠県広貨街鎮の出身であることが分かった。

ところが、調査が進むと、男性は6月29日に、広貨街鎮政府・民政担当者のチェン・タイリン(●太林、●=言+甚) (52)容疑者の指図によって、車で黄花嶺へ運ばれたことが分かった。

報道によると、6月29日、安康市政府関係者が広貨街鎮の衛生および安全生産の検査を行ったときに、チェン容疑者は路上に倒れている重病の男性ホームレスを見つけた。チェン容疑者はホームレスの処置について、民政を主管する副鎮長に指示を仰いだが、副鎮長はチェン容疑者に任せたという。

検察官によると、チェン容疑者は鎮政府の職員用台所から数個の蒸しパンをホームレスに渡し、女性の医者を呼び付け、ホームレスの健康を診断してもらった。医者が「心臓は問題ない」と診断したのを受けて、町でタイヤの補修をしている作業員で運転手の郭雲豊・容疑者と車の手配をし、ホームレスを柞水県に連れて行って放置し、2人は町に戻ったという。一方、郭・チェンの両容疑者は報酬のことで少し揉めたが、最終的に30元で手を打ったという。

報道によると、ホームレスは座ることもできないほど衰弱していたため、車の後部座席に横たわったまま秦嶺山まで運ばれ、遺棄された。男性は寒さと飢えの中で死亡した。郭容疑者は事後、犯した罪の意識に苛まされたという。

柞水県司法関係者によると、チェン容疑者は民政担当のほかに宗教助手でもあり、副科級の待遇を受けている。これまでに地元広貨街鎮紀検委書記、鎮人大副主席などを務めていた。検察院は8月4日、職務怠慢にてチェン容疑者を刑事拘留した。8月14日、チェン容疑者は保釈され、自宅で審査結果を待つことになったという。

(記者・豊山総合報道)

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