中国財政相更迭、江沢民の金融ブラックホール問題に着手か
【大紀元日本9月2日】中国国務院(内閣相当)新聞弁公室は30日、金人慶・財政相(63)を更迭し、政府系シンクタンクの国務院発展研究センター副主任に就任させたことを認めた。10月に開催する17回党大会の直前に、国家財政・金融の重職である財政相の突然の更迭は、メディアにさまざまな憶測を働かせる。当局は「個人的理由」としているが、内部情報筋によると、その政治的背景は、メディアが報道している汚職と女性問題の絡みではなく、胡温政権がついに政敵である江沢民の経済問題に矛先を向けたことであるという。
北京の内部情報筋によると、金財政相は現在すでに「双規」(身柄を拘束して捜査を行うこと)されている。今年6月に、天津市政治協商委員会主席である宋平順主席が中央紀律委員会に呼ばれた後に自殺したことを中央政府は重く見ており、同財政相は逮捕されるというより、ある意味では保護されているようなものだと、内部関係者は見ている。
これによると、今回のケースは、中国人民銀行の周小川・総裁を含めて何人かの部長(大臣相当)も絡んでいるという。表面的には、前山東省共産党委員会副書記杜世成の愛人が中国石油化工集団に対する土地販売に関わり、大量の賄賂を受けたことが原因とされているが、江沢民時代から国家税務局局長、財政相という重職を経てきた金人慶は、江沢民の金融ブラックホール問題に関して鍵を握る人物であるという。
内部情報によると、17回党大会前に、胡温が中央特別調査チームを設立、江沢民氏が法輪功弾圧に費やした財政資源について密かに調査したところ、中央政府が法輪功弾圧ピーク時期に消耗した財政及び社会資源は、その時期の中国GDPの半分にも相当することが分かったという。 現在、胡錦濤と温家宝は、江沢民が当時使用したおよそ一千億人民元の使途を調査している。江沢民時代に財政の大権を握っていた金財政相は、今回の調査で鍵を握っているという。
香港政情専門誌「開放」によると、昨年10月、中国人民銀行の劉金宝・前副総裁が監禁中、江沢民前国家主席はスイス銀行口座に20億米ドルの個人貯金を有すると暴露したと報じた。
分析によると、中央政府の財政部は内閣重要部門であり、主要官僚の退任は普通3月の全人代と政治協商会議期間中に、人民大会代表の投票により決定するという。中央銀行とともに国家の貨幣、財政政策の制定と執行する中枢部門の委員長は、重大問題でない限り、緊急の人事異動は行われない。
胡温政権と江沢民勢力の対立がすでに公になっているが、胡温政権は胡錦濤がAPEC会議に参加する前に、江勢力に先制として、江沢民の金融ブラックホール問題の重要人物を調査した。次のステップは、江勢力のもう一人の主要人物、国家安全部の許永躍がターゲットであるという。17回党大会は、1976年の「四人組」の失脚以来、中国共産党内部闘争もっとも激しいものになるだろう。