上海社会保障基金疑惑、主犯6人に懲役処分

【大紀元日本9月27日】上海社会保障基金の不正使用や贈収賄の汚職事件に絡む6人の容疑者は9月23日午前、長春市中級裁判所にて1審で判決し、事件発覚以来最初の判決となった。上海、吉林、安徽の3箇所の裁判所も相次いで判決が行われた。現在吉林省では、10事案に関わる14人の容疑者に対して、6事案の6人容疑者は判決が下された。上海においては、10事案に関わる11人容疑者に対して、9事案の10人容疑者が判決を下された。安徽省では、2事案に関わる容疑者2人に対して、1事案が開廷されたのみだ。

中国証券ネットによると、上海社会保障基金の不正使用と緊密関係にある上海富豪・張榮坤氏、上海電気企業の元取締役会長・王成明氏などの事案もここ数日間に判決がくだるという。長春および上海における社会保障基金疑惑事件の審理は、中国の建国記念日である10月1日前に終了するとみられる。

*2人が無期懲役に

23日に判決を言い渡された容疑者6人はそれぞれ、①元新黄浦集団取締役会長・呉明烈氏、約1億5千万円の収賄をしたとして、無期懲役に処せられた②元中国華聞投資控股有限公司常務副総裁・王政氏、約1億5千万円の贈賄を行ったとして、3年の有期懲役に処せられた。贈賄対象は呉明烈氏③元上海電気集団公司副総裁・韓国璋氏、約9000万円の収賄をしたとして、無期懲役に処せられた④元上海市労働および社会保障局局長・祝均一氏は、約2430万円の収賄、10億元の公金を着服および職権を乱用として、18年の有期懲役に処せられた⑤元上海労働および社会保障局保障飢饉監管処処長・陸チ偉氏、約1500万円の収賄をしたとして、8年の有期懲役に処せられた⑥元上海明園集団取締役会長、元上海電気非執行取締役会長・李松堅氏は、2004年に上海電気総公司傘下の上海電気人力資源有限公司の公金を約7億6千万円を着服として、また約1千万円の贈賄を行ったとして、3年の有期懲役を処せられた。

*吉林、重要事案未解決

9月22日、上海雅苑不動産開発公司取締役会長・厳金宝氏、元上広電不動産公司総裁・陸天明氏を含む上海電気取締役会長・王成明氏の事案は長春市中級裁判所にて開廷された。

検察側は、王氏は張榮坤が贈賄した6万香港ドルを含む約300万円の収賄を受けたとし、上広電総裁を務めた期間中に、上海閔行区にある40ヘクタールの土地譲渡に関わり、厳金宝氏、陸天明氏と共に3億元を着服したとして告発された。

現在のところ、上海市委副秘書長、上海市委弁公庁主任・孫路氏、元上海市宝山区区長・秦裕氏および張榮坤氏、周衛明氏、張軍氏事案を含み、吉林省では幾つかの重要事案はまだ開廷していない。

2006年7月に祝均一氏事案で上海社会保障基金不正事件の序幕が開かれてから、今年の6月までに、関連調査による政府関係者および企業幹部は20人余りが絡んでおり、上海、吉林、安徽3箇所に分かれて審理している。

それぞれの事案が開廷されるに連れて、上海社会保障基金疑惑の内幕も明るみに出た。張榮坤氏を中心に上海社会保障局、上海電気の2箇所が舞台として、多くの政府関係者、企業幹部が絡み合い繰り広がった。

*上海:9事案、容疑者10人

上海司法機関が立案した社会保障基金疑惑に関連した10事案の内、9事案がすでに上海市第一中級裁判所にて今年の6月に開廷したが、23日までに判決したものは未だにない。開廷された事案容疑者はそれぞれ、元上海工業投資(集団)財務経理・李易曾氏、同社総裁・王国雄氏、元上海市国資委主任・凌宝享氏、元上海市国資委主任・呉鴻メイ氏、元上海海欣集団有限公司副総裁・沈巌氏、元上海電気資産管理投資管理部副部長・程彦敏氏、同社副総裁・徐偉氏、元上海市不動産管理局土地利用管理処々長・朱文錦氏、元華安基金社長・韓方河氏、元海欣社総裁・袁永林氏。

一方、吉林省司法機関は上海社会保障基金疑惑事案をもっとも多く受けており、今年の9月に入ってから開廷し、10事案14人容疑者に対して、すでに7事案が審理され、内の6事案の容疑者6人に対して判決を下した。上海市長寧区区長・陳超賢氏事案は合肥市にて開廷する予定で、上海国際カーレース場有限公司副社長・郁知氏の事案は9月17日蕪湖の中級裁判所にて開廷した。

(翻訳/編集・余靜)
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