ファンタジー:個人タクシー「金遁雲」の冒険独白(10-4)

【大紀元日本10月19日】神亀に導かれて歩いているうち、海岸端の竹芝ふ頭までやって来た。照明の少ない、薄暗い中で、中秋の月光に照らされて、何やら人影が見える。遠目でも、白い三角巾が目立つ輩だ。「・・・おい!夜遊びは止めたんじゃなかったのか!」と声を掛けると、相手はギクッとして、「・・・張の兄貴・・人が悪いなぁ・・もうすぐ取引なんですよ・・やっぱり来てくれましたか・・」などと順逆のないことを言っている。

見ると片手にジュラルミンのケースを提げているので、「地上げの集金か?」と水を向けると、「・・・二億用意しました・・騙し取られないように現物の確認だけはしないと・・」などとやりとりをしている内に、どこからともなく大型トラックがやってきて面前で止まった。暗闇の中でも、トラックの横腹には「中国上海食品公司」と読める。

果たしてさっそうと降りて来たのは、十字架を月光に光らせたジェームズ劉その人であった。「・・・待たせましたね・・では、さっそくに現物の確認をしてもらいましょうか・・」と言うなり、分厚い後部ドアを重々しく開けた。中からは、冷凍車らしく白い冷気が漂って来る。

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