シンポジウム「中国の人権状況と北京五輪」:人権聖火の成功目指し、世論形成に熱い議論
【大紀元日本10月28日】中国で弾圧されている法輪功の迫害停止を訴える有識者の世界的組織「法輪功迫害真相調査連盟」のアジア調査団は10月27日、東京・文京区でシンポジウム「中国の人権状況と北京五輪」(後援=大紀元時報・新唐人テレビ)を開いた。アジア調査団の安東幹副団長の基調講演をはじめ、中国大陸の実態をよく知るパネリスト3人が加わり、来年5月に日本で迎える人権聖火の成功を目指し、日本社会の世論形成に熱い議論が交わされ、参加者らも賛同の拍手で強い支持で応えた。
当日は、台風の影響による荒天にもかかわらず多くの参加者を迎え、「中国の人権状況」と「北京五輪」というタイムリーなテーマを掲げたシンポジウムに対する期待の強さが感じられた。
はじめに、法輪功迫害真相調査連盟アジア調査団日本事務局が、調査団の趣旨と人権聖火リレーの経緯について、映像を見ながら説明した。
本年8月9日にアテネで採火した人権聖火を引き継ぐリレーは、すでに欧州18カ国を巡り、中国が数々の迫害を重ねながら、平和の祭典である五輪を同時に開催することは決して許されるものではないことを訴え続けている。
来賓としてあいさつした東京都議会の土屋敬之議員=都議会民主党総務会長=は、「隣国の人民が、何の罪もない、法輪功という気功集団に入っただけで、命を奪われ、臓器を転売されていることについて、不可思議に思わない人間はどうかしている」と述べ、「北京五輪は偽善に塗り固められたものであり、中国は人権抑圧国家であり、民主主義国家とはほど遠い国であることを1人でも多くの日本人にわかってもらうよう努力したい」と抱負を語った。
来賓としてあいさつした土屋都議(大紀元)
また、同じく来賓としてあいさつした吉田康一郎都議は、北京五輪を中国のあらゆる問題の象徴とし、「中国では、信じがたい人権侵害や虐殺が行われている…人権侵害をやめるか、五輪をやめるかを中国に迫ることができない政治家は政治家ではない」と北京五輪に対する日本社会の認識と対応の甘さを指摘した。
あいさつする吉田都議(大紀元)
基調講演「人権弾圧のない平和な北京五輪を」では、安東幹副団長が、五輪の真の成功を目指すからこそ、平和や人権の尊重を堅持するべきであり、深刻な人権侵害を看過することはできないことを確認した。
また、日本社会における法輪功に対する認識の誤りを指摘し、法輪功の迫害は、中国で発生しているあらゆる人権侵害の象徴としてみるべきだとし、さまざまな立場の人々が力を合わせて、中国共産党政権に圧力をかければ、自由と人権が尊重される平和な五輪を実現することが可能であると強調した。
基調講演で、法輪功の迫害問題について日本社会の世論を形成し、あらゆる人々の参加により、中国共産党に圧力をかけることを主張する安東副団長(大紀元)
「人権聖火を日本で成功させるためには」をテーマにしたパネルディスカッションでは、高峰一氏(環境問題専門家)、林飛氏(弁護士、中国民主化運動海外聯席会議日本代表)、鳴霞氏(「月刊 中国」編集長)の三氏が加わり、中国の環境問題や、民主化運動の進展、食の安全問題など、中国大陸出身者ならではの体験が語られた。
中国の実態をよく知るパネリストら:(右から)安東副団長、高峰一氏、林飛氏、鳴霞氏(大紀元)
安東副団長は、アジア調査団団長をはじめ多くの団員を抱える台湾を先週訪れ、交流を深めた。その模様をスライドで伝えた。台湾調査団との連携強化で来年5月の日本での人権聖火引き継ぎの成功につなげていくよう、日本社会の世論形成に尽力する考えを示した。