【大紀元日本7月21日】7月18日にマカオで予定されていた「人権聖火リレー」は当局に阻止された。イベント開始の30分前に、マカオ警察はイベントの司会者、自由の女神役の女性二人、共同主催者の利建潤氏とイベントを応援する市民の一人、計5人を連行した。人権聖火が点火された直後に、警察に消火器で消された。マカオ警察は国内外のメディアの前で、公然と人権を踏み潰した。
7月18日、「人権聖火リレー」のマカオ始点友誼広場でイベント前の準備を行っていたマカオ市民・林逸明さん、陳金韶さん、胡南平さん、余鳳珍さんは突然、警察に逮捕された。陳金韶さん、余鳳珍さんはイベントで自由の女神を演じる役で、胡南平さんは司会、林逸明さんはマカオ「法輪大法学会」の責任者である。四人はマカオ第三警察署に連行されたが、未だに釈放されていない。警察側からは逮捕理由の説明もなかった。
イベントを行う予定の広場はマカオ警察の鉄柵に囲まれて、制服警官や私服警官など合わせて200人が広場の監視や撮影を行っていた。
同日午後1時46分、マカオ民主活動家・利建潤さんのスピーチの最中、「今回の事件はマカオに人権はない」というくだりで、マカオ立法委員・区錦新議員が一緒に聖火を点火しようとして警察に阻止された。結局、点火はできたものの、警察によって消火器で消された。利建潤さんは吹き出した消火器の泡にまみれ、体調がおかしいと訴えたが、無視された上、警察署への同行を強要された。利建潤さんは断食で人権侵害を抗議すると宣言した。
マカオ警察の妨害にもかかわらず、人権聖火は消えなかった(大紀元)
人権聖火が点火されると、マカオ警察は消火器で消し始めた(大紀元)
利建潤さんが未点火の聖火松明を高く揚げた(大纪元)
マカオ立法委員・区錦新氏は「今回の人権聖火リレーは法輪功迫害真相調査連盟(CIPFG)の主催だが、法輪功だけの問題ではない。中国は改革開放を経て、経済力も国際社会の地位も変わった。しかし人権の面は昔のままで、人権侵害は相変わらず酷い状態で、人権を守る個人や弁護士が長期に渡って弾圧されている」と指摘した。
立法会議員・呉国昌氏によると、今回の事件はマカオ当局が中央政府の歓心を買い、反対の声を抑えた。しかし反対の声を出す権力を守ることは民主社会の基礎である。今回のマカオ当局の行動は「マカオの恥」であると呉国昌氏は述べている。
人権聖火主催者の一人、マカオ労働者運動代表は今回の事件で政府への信用が失われたと指摘する。政府は法律に従っておらず、政府に逆らう活動は弾圧される。このまま続くと、いつかマカオで自由に反対意見を表明する権利はなくなると批判した。
イベントの参加者・宋さんは「今日の引き継ぎ式はうまく行かなかったが、マカオの人権状況が見事に反映された。人権聖火に対するマカオ当局及び中国中央政府の反応から見ると、中国政府の衰弱が見えてくる」と感想を述べた。
イベント会場に予定されていた広場への道路は同日朝から警察に閉鎖された。当局の理由は台湾製品展覧会があるためとしているが、その展覧会は7月19日つまり翌日午後5時からである。
現場に入れたのはマカオ立法会区錦新議員と呉国昌議員、マカオの民主活動家・伍锡尧さんと利建潤さん、朝早く現場に駆けつけた法輪功練習者十数人 及び国内外のメディアである。
マカオ当局の妨害があったため、マカオ人権聖火リレーは区錦新立法委員のスピーチ完了をもって、終了した。
7月5日聖ポール天主堂跡前でのイベント(大纪元)
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