イスラエル、アメリカ、イランの間の衝突が続く中、トランプ大統領は複数の国に対し、ホルムズ海峡の護衛への参加を呼びかけた。あわせて中国共産党(中共)にも行動を取るよう警告し、応じなければ米中首脳会談の延期もあり得るとの認識を示した。
アメリカの中共に関する現下の危機対応委員会の林曉旭研究員は「非常に優れた戦略だ」と評し、多国間の合同護衛は中共にイランと決裂するよう迫ることになると述べた。
林氏は、中共がこれまでイランに対し、兵器開発に関する資源や技術支援、さらに政治的な後ろ盾を含め、多方面で支援を行ってきたと指摘した。そのうえで、イランにとってはロシアや中共が後ろ盾となる存在だと説明した。さらに、国際的な圧力によって中共が護衛に参加せざるを得なくなれば、それはイランとの関係を断つことに等しいとの見方を示した。
また、現在は重要な局面にあるとし、「習近平にとっては、トランプ氏の訪中によって、自身の政権基盤をさらに強固にしたいという思惑がある。政権の安定性や信頼性は、実際にはアメリカの支持によって裏付けられる部分が大きい」と指摘した。「この局面でアメリカが圧力をかけることは、習近平にとって非常に大きな圧力となる。結果として一定の妥協を余儀なくされる可能性がある。いったん妥協すれば、それはイランを切り捨てることに等しい」とも述べた。
林氏は、イランがホルムズ海峡を通じて世界のエネルギー供給に影響を与える点について、「世界の石油輸送の約2割がこの海峡を通過しており、イランにとっては世界経済に影響を与える最大の圧力手段である一方で、最も脆弱なポイントでもある」と分析した。
そのうえで、中共だけでなく、オマーン、アラブ首長国連邦、サウジアラビアなど湾岸諸国も航路の安全確保に動かざるを得ず、結果としてイランとのさらなる決別を意味すると述べた。
林氏はさらに、今回の動きはイラン自身が自らを追い込む形となり、より強固な国際連携を生む可能性があると指摘した。中共でさえイランを切り離さざるを得なくなるとの見方を示した。
また、単なる非難では中共は時間稼ぎを図る余地があるとしたうえで、護衛問題では各国が中共の姿勢を注視しており、中共が国際秩序を守る立場にあるのかが問われていると指摘した。
さらに、仮に中共が関与しなければ、自国のタンカーが攻撃を受けた場合でも、国際社会からの支持は得られないとの見方を示した。これは中共がどのような立場を取るのかを明確に示す局面でもあるとしたうえで、「中共はイランを守るために、自国の石油資源は言うに及ばず、全国家の利益をも顧みないつもりなのか」と述べた。
林氏は最後に、「トランプ政権のこの戦略は非常に巧妙な一手だと私は思う」と評価した。
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