飢餓を増長するバイオ燃料、人類に対する犯罪=国連専門家

【大紀元日本10月29日】トウモロコシや豆などの農作物から作られる「バイオ燃料」が、地球温暖化の原因である温室効果ガスの抑制のために、ガソリンの代替燃料として日々増産されているが、国連機関の専門家は、バイオ燃料を現状のまま増産していけば、貧しい国々の飢餓を増長させ、大量虐殺などを招く可能性が大きいと警告し、バイオ燃料の生産に5年の猶予期間を設けるよう呼びかけている。バイオ燃料の生産量は増加しており、一部農作物の価格高騰を導いたという。

国連食品特別報告員のジーグラー氏(ジュネーブ大学・ソルボンヌ大学教授)は25日、国連人権委員会で、食料ではなく農業副産物から燃料を作り出せる技術が確立するまで、バイオ燃料の生産に猶予期間を設けるよう主張した。翌26日に開かれた記者会見で、「農地をバイオ燃料のために利用するのは、人類に対する犯罪だと言える。一刻も早く、世界中で起こっている飢餓による大量虐殺を阻止しなければならない」と訴えた。

同氏によると、トウモロコシ231キロからバイオ燃料のエタノール13ガロンをつくり出せるが、同量のトウモロコシで、メキシコやザンビアの子供1人を1年間養えるという。

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