【英国通信】アメリカから逆輸入されたハロウィーン

【大紀元日本11月6日】ハロウィーンの起源は、古代ケルト族の大晦日とのことですが、子供たちにとってそれほどインパクトの強い行事ではなかったようです。アメリカの「お菓子をくれなきゃ、いたずらするぞ」というお祭り文化が入ってきたのは1980年代。当初は親の手作り衣装でお菓子を近所から集める程度でしたが、ある年、英国ではあまり馴染みのないカボチャが店頭に並ぶようになりました。そして1999年、アメリカの大手ウォルマートが英国アスダを買収したことを皮切りに、いわゆるハロウィーン・グッズが英国の店舗に流れ込みました。

教会ではグロテスクに魔性を押し出すグッズに難色を示し、昨年はボルトン主教がハロウィーン・グッズに明るい要素を採り入れるよう店舗に要請。これを受けていくつかの大手が今年は夜光のスティックやフェースペイントなども店頭に並べることにしたようです。同主教は昨年、『ハロウィーンより良いもの』という著書も推薦しています。ハロウィーンの伝統の概説、多くのキリスト教信者がハロウィーンを祝わない理由、邪を征するような明るく楽しいゲームのアイデアが満載されています。(Better than Halloween by Nick Harding [ISBN0-7151-4101-5])

教会の懸念をよそに、10月28日(日)、イングランド北部のシェフィールドでは、今年で9年目になる英国最大のハロウィーン・パーティー「フライト・ナイト(恐怖の夜)」が地元シェフィールド評議会の主催で行われました。午後4時から8時までで、年齢に合わせて1時間ごとに区切られ、要予約。毎年3万人前後が訪れ、多くは仮装姿で楽しむそうです。お祭りならではの乗り物が設置され、路上エンターテイナーも繰り出しての盛り上がりとなりました。

そして、何といっても子供たちのハイライトは10月31日のトリック・オア・トリート(お菓子をくれないといたずらするぞ)の夜。シェフィールドのある家族は、午後5時に友人と出発。この地域では顔をくりぬいたカボチャを外に置くことで「ハロウィーン歓迎」を示し、子供たちは悪びれずに扉を叩くことができます。

一つの家からティーンエージャーたちが「この家、マジおっかない!」と出てきました。行ってみると、庭にボール紙で作った墓石があり、「この家に足を踏み入れた子供は二度と外に出ることはない」と呪文が刻まれていました。墓石の前にシーツがあったので近づいてみると、突然シーツがかさかさっと動き出しました。凍りついた子供たちをなだめるように、お菓子を手にした家主が現れ、ホッと一息。一回りして家に戻った子供たちは、お菓子をテーブルに置いて山分け。高級チョコレート一つに対して安めのキャンディー三つなど、市場価値に合わせて物々交換が行われました。

イングランド北部シェフィールドでのフライトナイト(写真=大紀元)

出陣前の子供たち(英国北部のシェフィールドで、写真=大紀元)

(縁)