中国司法制度への挑戦:香港で前国家主席江沢民氏提訴へ

法輪功学習者が元国家主席江沢民を始め三人の元中国共産党高官を酷刑罪で提訴し、損害賠償を求めた訴訟が現在、確実に進んでいる。香港高裁は8月9日に書面裁定の形で原告側に「域外送達(執行管轄権の域外行使) 」(Leave to serve out of jurisdiction)を許可した、原告側の弁護士は法律に基づいて用意した書類の簡体字中国語バージョンはすでに裁判所の審査を通して認定済み、関連法律書類の送達は中国大陸の裁判所を経由となるので、法輪功学習者らは、香港高裁が司法公正を厳守、妨害や圧力を除いて、一刻も早く起訴書類を被告の手元に届くよう期待している。

原告の朱柯明氏と傅英学氏は法輪功学習者であり、今年6月28日に高裁に元中国国家主席・江沢民、元国務院副首相・李嵐清、元政治法律委員会書記・羅幹を提訴した。酷刑、傷害、違法監禁、権力乱用の罪で訴え、損害賠償を求めた。今回の元中国国家主席に対する訴訟案は中国共産党権力配下の香港で発生したため、各界の注目を集めた。

関連法律書類の中国語バージョンはすでに用意済み

昨日午後に、原告朱柯明氏と傅英学氏を始め、数十名の法輪功学習者は中環遮打花園から高裁まで小型なパレートを行った、そして、高裁前で記者会見を行った。香港高裁は8月9日に書面裁定の形で今回江沢民への訴訟案原告側に「域外送達(執行管轄権の域外行使) 」を許可したことを公表、つまり、中国大陸で被告に提訴書類を送達することを許可したという。今、書類の中国簡体字バージョンがすでに準備しており、後は1999年香港と中国大陸間で結んだ「内陸裁判所と香港特別行政区裁判所の間に民商事司法文書の配達を委託に関する規定」に基づいて、中国高裁に法輪功原告側の民事損害賠償訴状を被告3人のに送達するように委託すること。「規定」によると、受託方つまり中国高裁は訴状を被告の江沢民氏、李嵐清氏と羅幹氏に送達する義務がある。

パレートは中環遮打花園から出発、金鐘高裁へ向かう(撮影 鄭麗駒/大紀元)



(撮影 鄭麗駒/大紀元)

(撮影 鄭麗駒/大紀元)

李嵐清氏と羅幹氏に送達する義務がある。



パレートは中環遮打花園から出発、金鐘高裁へ向かう(撮影 鄭麗駒/大紀元)



(撮影 鄭麗駒/大紀元)

パレートは中環遮打花園から出発、金鐘高裁へ向かう(撮影 鄭麗駒/大紀元)



(撮影 鄭麗駒/大紀元)

(撮影 鄭麗駒/大紀元)

http://img.epochtimes.com/i6/712111607381366.jpg

(撮影 鄭麗駒/大紀元)

(撮影 鄭麗駒/大紀元)

http://img.epochtimes.com/i6/712111607391366.jpg

パレートは中環遮打花園から出発、金鐘高裁へ向かう(撮影 鄭麗駒/大紀元)

(撮影 鄭麗駒/大紀元)

今回の訴訟案は香港の司法独立に対する検証となる

訴訟案原告の一人・朱柯明は香港高裁の判定は、勇気と正義の判定と評価し、感謝の意を表した。彼は「香港高裁の判定は司法の公正と正義を守った、司法独立の名誉も守った、正義の判定であり、良心的な判定である、世界の見本となり、国際社会と香港民衆の注目と関心を集め、賞賛と期待をもたらした」と発言、彼は香港高裁が今回の訴訟案を公正に終始貫いてほしい気持ちも明らかにした。「今回の訴訟は香港の『一国二制度』と司法独立の真実性に対する検証になり、中国の民主、人権、法制及び政府の信用に対する検証にもなる」。

朱柯明氏の話によると、朱氏は、2000年8月に初めて北京高等検察庁と高等裁判所に江沢民を提訴した後、即時逮捕されて、審判なしに禁固刑を言い渡されて、違法監禁された。今回の提訴は8回目となり、彼は「心より全世界の人々にこの訴訟案を注目してもらいたい。江沢民への起訴に踏み切るために、8年の歳月を費やし、その代償が痛いほど大きいかった。同時に胡錦涛、温家宝政権に客観的に法輪功に直面する勇気を出してほしい。法輪功が受けている弾圧と迫害は世界の注目を集めている今、一刻も早く元凶となる江沢民と共犯を逮捕し、法律に基づいて裁くべきだ、8年に渡る法輪功に対する迫害と弾圧を直ちに停止し、蹂躙された正義と公道を正すべきだ」と語った。

訴訟案の確実な進行ぶりに対して、もう一人の原告傅学英氏は「今回の訴訟は、中国大陸でまだ残忍な迫害を受けている法輪功学習者に対して、大きな励ましとなるだろう。高裁の判決は勇気あるものだ」とうれしさを隠さなかった。

http://img.epochtimes.com/i6/712111611101366.jpg

(撮影 鄭麗駒/大紀元)

(撮影 鄭麗駒/大紀元)

高裁に妨害を排除、判定を実行するように促す

香港法輪佛学会のスポークスマン・簡鴻章は、「香港高裁は、司法公正と正義を忠実に守ってもらいたい。妨害を排除して、起訴書類を一刻も早く被告の手元に送達してもらいたい」と述べ、高裁に8月9日の判定を素早く実行に踏み切るように要請した。

簡氏は、中国の指導部に対し、「①違法監禁された法輪功学習者をすべて釈放すること②弾圧の元凶・江沢民、羅幹、劉京、周永康を法律に基づいて厳罰に処し、死亡を含めて弾圧による損害を弁償すること④直ちに弾圧を停止すること」法輪功迫害に反対する四つの訴えを再び言明した。

今回香港高裁が江沢民への訴訟案に域外送達を許可したことによって、海外法輪功団体は江沢民への提訴が中国本土に進入することができて、江沢民犯罪グループに大きく動揺させた。この前の11月にオーストラリア裁判所は原告欠席審判の形で中国共産党通産部長・薄煕来に対して、酷刑罪が成立の判決を下した。その後、スペイン憲法裁判所で法輪功学習者が江沢民、羅幹を提訴した、罪名は「種族絶滅罪」「酷刑罪」「反人道罪」である、スペイン憲法裁判所はすでに訴状を受理した。

弾圧元凶に対する裁判を

簡鴻章氏は「海外の裁判所から次々と正義の判定が下され、それは天意民心の象徴である、われわれ次の目的は、血まみれの被告に責任を取ってもらうこと、法律に裁いてもらうこと。一刻も早く迫害を停止させること」とし、最後に「法輪功を迫害した元凶達は必ず裁判を受けてもらう」と強調した。

http://img.epochtimes.com/i6/712111611131366.jpg

(撮影 鄭麗駒/大紀元)

(撮影 鄭麗駒/大紀元)

(撮影 鄭麗駒/大紀元)

香港高裁が江沢民への訴訟案に域外送達を許可した結果は国際法曹界の注目を集め、賛賞された。米国人権法律協会アジア執行長・朱婉_qi_氏はこの判定から希望が見えると指摘、そして、胡錦涛政権に来年の北京五輪前まで江沢民グループが発動した迫害を停止させるように呼びかけ、人権法律協会も声明を発表して、香港高裁に香港の司法独立を守るように呼び掛けている。

朱婉_qi_氏:北京五輪前に弾圧の終結を望む

米国人権法律協会アジア執行長・朱婉_qi_は江沢民に対する訴訟案に関心を持って、注目続けた。彼女は江沢民に対する提訴が香港で成功した、その上、「域外送達」も許可された。これは法輪功学習者と法輪功が迫害された案件のために奔走している弁護士に対して、非常にいいニュースとなると指摘し、「薄煕来の訴訟事件はオーストラリアで欠席判決を下され、スペイン憲法裁判所は江沢民が発動した今回の迫害について調査が始まった。証拠さえ押さえれば、被告・江沢民、羅幹を引渡してもらってスペインの裁判所で裁かれる……江沢民をはじめ法輪功への迫害に関与した者たちに対する起訴は全世界に広がり、巨大な国際的影響力が生じた」。

朱婉_qi_氏は「私達は来年の北京五輪が開催する前までに、胡錦涛政権は迫害を終結させることを望んでいる。弾圧を発動し、一億人の命、自由、健康を奪った江沢民犯罪グループを法律に基づいて裁き、責任を取ってもらう。中国大陸で起こった残虐な迫害は中国人自身が終結させることが、法輪功学習者を含め、すべての中国人の望みである」と指摘した。

更に、彼女は「中国大陸の裁判所に元中国指導者の手元に起訴書類を送ってもらうことは前例なかった。香港高裁の正義な判決は、法輪功訴訟の支えとなる、法輪功は世界範囲の人権訴訟は中国共産党の圧力を突破しつつある。これらの努力は人類が正義を求める本能を反映した、われわれは香港と中国大陸の司法機関に最後まで頑張ってほしいと願っている」と述べた。

人権法律協会は中国大陸と香港に協力し、江沢民起訴を促す

人権法律協会の総執行長テリー・マーシュ氏も今回の訴訟案に対して「8月9日の許可とその許可の実行は法律上に大きな意義がある、この判決は真の法律制度を構成した基礎原則の反映となる」と声明を発表した。

声明は「被告である中国共産党が元凶、どんな地位と官職にもかかわらずに、香港高裁は原告の権利を守らなければいけない、香港の司法独立を守らなければならない、司法独立は真の法治のシンボルである」と指摘した。

人権法律協会は司法正義と人道の基本原則に基づいて香港高裁に協力するよう、中国政府に要請した。

域外送達(執行管轄権の域外行使) 許可の「捺印写し」、全二ページ、 左上に高裁の印鑑

http://img.epochtimes.com/i6/712120231131366.jpg

域外送達(執行管轄権の域外行使) 許可の「捺印写し」、全二ページ、 左上に高裁の印鑑

高裁の域外送達(執行管轄権の域外行使) 許可の原文

香港高裁は今年8月9日に江沢民への訴訟案に域外送達(執行管轄権の域外行使) を許可した令状(Leave to serve out of jurisdiction)はRoyYuという高裁官員により発行された、高裁令状の写し(Order)に高裁の印鑑が押されたものは「捺印写し」(Sealed Copy)という、法的効力を備えている。

高裁の担当官員は朱柯明氏と傅学英氏は、6月28日に提出した証言と訴状を審査したあと、下記の命令を出した:

一、原告人は司法管轄区域以外の北京西直門南小街70番にある中国共産党中央退職幹部局、あるいは中華人民共和国のその他の場所で、第一被告人・江沢民と第二被告人・李嵐清に修正済みの訴状(Concurrent Writ)を送達することを許可する。第三被告人・羅幹に北京中南海あるいは中華人民共和国のその他の場所で送達することを許可すること。

二、送達受け取り認定時効は、修正済みの訴状到達後28点xun_ネ内となること。

三、この申請により発生した費用は訴訟費用に含むこと。

                            (翻訳・侍傑)

関連記事
「孔子学院?新華社?こんなものはもう退屈だろう。中国が本当に世界的なソフトパワー拡大には、モバイルゲームに焦点を当てるべきだ」中国国内メディアは最近、100億米ドル規模に達している中国ゲームの影響力の高まりに自信を見せている。当局は、ゲームコンテンツを通じて中国文化の浸透工作や、親共産主義人物の人気獲得を促進したりしている。
日本料理の「五味五色」が生む健康の秘密。陰陽五行に基づく養生観が、日本人の長寿とバランスの取れた食文化を支えています。
2023年5月25日に掲載した記事を再掲載 若者を中心に検挙者数が急増する「大麻」(マリファナ)。近日、カナダ […]
中国共産党が7月に反スパイ法を改正し、邦人の拘束が相次ぐなか、外務省が発表する渡航危険レベルは「ゼロ」のままだ。外交関係者は邦人の安全をどのように見ているのか。長年中国に携わってきたベテランの元外交官から話を伺った。
日中戦争の勝利は中華民国の歴史的功績であるが、これは連合国の支援を受けた辛勝であった。中華民国は単独で日本に勝利したのではなく、第二次世界大戦における連合国の一員として戦ったのである。このため、ソ連は中国で大きな利益を得、中共を支援して成長させた。これが1949年の中共建国の基礎となった。