中国トラック事情:過積載による排気ガス汚染、米国の130倍

【大紀元日本12月19日】トラックは流通経済が発展する上で重要であるが、中国の1千万台以上のトラックが排気ガスを吐き出し、毎日数億人を煤煙の中に晒している。さらに、中国のトラックは燃費が悪く、排気ガス汚染は米国の130倍。中国は米国に代わり世界一の温暖化ガス排出国となった。

深刻な排気ガス汚染

ニューヨークタイムズ(12月8日付)広州報道によると、毎日、大量の荷物を積載したトラックが轟音をあげ、排気ガスを残し主要都市に向かって走る。明け方になると一晩中窓を開けていた民家の中は真っ黒いディーゼルの煙で覆われてしまうという。

中国のディーゼル油は価格が安く、トラックに比べ汚染が少ない汽車よりも輸送コストが少なくて済む。中国の商用大型貨物トラックの販売数は米国よりもはるかに多く、2000年から大型トラックの販売数は6倍増加しており、また一般車両も7倍増加している。世界銀行の報告によれば、これらが造り出す各問題としては中国都市部での交通渋滞を含め、人々は汚染により呼吸困難になり、毎年数十万人が心臓と肺部の疾患が原因で死亡しているという。海外の専門家は、数億人もの中国人が毎日汚染された煙にさらされ、命に関わるような煤と煙の中で仕事をしているようなものだと指摘している。

米国では、すでにディーゼル黒煙を発ガン性物質として認識され、多くの学術文献でもディーゼル車の排ガス、石炭による火力発電所やその他の汚染からくる微粒子が人を死に至らしめており、これらの微粒子は肺の奥まで入り込んでしまうため室外汚染が原因で死亡する人数の90%を占めている。中国の研究者は今年、環境科学雑誌(Journal of Environmental Science)で、広州では空気中の微粒子汚染によって、1年で226日間は空気の質が正常な基準値を超えていると指摘している。

広州で行われたディーゼル車排ガスの学術研究では、中国のトラックが排出する微粒子は量も多い上に大きく、それは常にエンジンの始動が不十分か或いは制限を超えた積載量の為に排気系統が故障しているのが原因であることが明らかになった。

劣悪な燃料品質

米国のディーゼル燃料最大硫黄濃度は15ppmだが、中国においては2000ppm、米国車の平均硫黄含有量の規制値は30ppmに対し、中国は8000ppmほどである。

西側社会の製油工場では、低硫黄を含有する原油の製造が非常に難しいことから、余分なコストを支払わなければならない。しかし中国ではインフレーションを規制するため、政府がガソリンスタンドにガソリンとディーゼル油の価格を上げないように指示しており、これにより製油コストも低く抑えられている。このためシノペック(Sinopec)のような製油企業に安い原油を仕入れることを要求している。

トラック運転手の張さんは、常に積載制限量の2、3倍の荷物を積んでいるという。「もちろん多く積まなければどうやって生活できるというのか」と話す。たとえトラックの重量が超えて道路を損壊しても、余分に汚染を排出しても、報酬は積んだ荷物の量によって決まるのだ。張さん自身もディーゼル車の排ガスが身体に良くないことは認めており、多くの運転手がひどい咳をしていることも知っている。張さんは「咳は年寄りにつきものだが、トラック運転手の状態はさらに悪化している」と話した。

(翻訳・坂本)
関連記事
スペイン東部を中心に10月末に発生した集中豪雨で、1日までに200人以上の死亡が確認された
スイスのチューリッヒ芸術大学は、中国のハルビン工業大学との共同プログラムを終了した。同校は協力終了の背景には、学位基準の違いや運営上のリスクがあるとしている。今後多くの大学が同様の対応を取る可能性が指摘されている
台風21号が去った後の台湾の町はボロボロ…
マスゴミと言われて久しいが、大衆が読みたいと思うのは、恰好付けたり、体裁を重んじたりするものではなく、人々の本音を聞きたいのだ。今時、誰が大会社の体裁で着飾った記事を読みたいと思うだろう。スポンサーや社長の名誉を気にしていては不可能だ。ましてマスゴミの名誉のために、本質をゆがめてはならない。
入札では新幹線技術に基づき、安全性や信頼性を強調する一方で、長期的なインフラ整備や持続可能な発展に重きを置いていた日本の提案は、短期間での建設が完了することや安価な資金提供条件を提示した中共の提案に敗北した