チベット亡命政府台湾代表、中国政府の対応に反論
【大紀元日本3月16日】チベット自治区ラサで14日に発生したチベット僧侶らによる中国当局に対する大規模な抗議活動を受け、当局は15日に新華社を通して声明を発表、抗議活動を暴動と呼び、政府軍による銃殺を否定、「暴動はチベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世が組織的企画したもの」と批判した。それについて、ダライ・ラマ亡命政府台湾代表、ダライ・ラマチベット宗教基金会のTsegyam Ngaba会長が、ダライ・ラマの関わりを否定した上、中国当局によるチベット人の平和抗議活動への暴力鎮圧を非難し、中共当局は今回の衝突で死亡者が出たことに
軍と抗議デモの衝突で、燃えた建物周辺を警戒する中共軍=2008年3月15日、チベットの首府ラサで(STR/AFP/Getty Images)
対して責任を免れないと指摘した。
Tsegyam Ngaba会長は15日、記者の電話取材に応じ、ダライ・ラマの関与について、「まったく根拠のない嘘だ」と否定した。「街頭に出て抗議を行ったチベット人は、長い間、中国当局による残酷な迫害の積み重ね、暴力的な鎮圧に対する不満の結果である。しかし、中共当局は彼らに、武力を用いて鎮圧をしたのだ」また、衝突では、軍が発砲したと確認し、死傷者は三、四十人も上回り、その中、僧侶及び一般のチベット人も含まれると話した。
チベット僧侶と一般人が寺院と店舗を焼き打ちしたという中国当局の指摘について、会長は「事実ではない」と否定した。「抗議者が焼き討ちしたのは警察と軍の車両及び政府部門関係だ。彼らの抗議は、当局の強権統治に対するもの、罪のない一般人と住民に対して、危害を加えるわけがない」という。
また、今回の抗議の原因について、「長年以来、中国当局が、チベット人の信仰の自由と権利を抑圧し、独裁専制を行ってきた。それは、信仰が浸透しているチベット人にとっては、息苦しいことである。当局による信仰の自由の侵害はとても大きなものだった。チベット人が家でダライ・ラマの肖像を飾ることも禁止されている。チベット人幹部の家でも頻繁に監視され、ダライ・ラマの肖像ももちろん禁止され、仏堂の設置さえも許されない。当局は各寺院に対して、愛国主義の教育を強要し、チベット僧侶に対してダライ・ラマを批判するよう強要し、その上ダライ・ラマを批判する声明文の署名を強要する。このようなことは、チベット人にとっては耐え難いほどの仕打ちなのである」と語った。
衝突での死亡者について、「心痛の思い」と話し、中共当局に「理性と自己コントロールを持って残酷な弾圧をやめるよう」と呼びかけた。