【大紀元日本8月31日】「料理茶屋○○」という屋号を見た中国人の友人が、いぶかしげにどういう意味かと聞きてきました。
「料理」の「料」とは、「米」を「斗(ます)」で計ることで、転じておしはかるという意味(例:「料簡」)であり、「理」とはおさめるということ(例:「処理」)。つまり、「料理」とは本来、「おしはかりおさめる」→「物事をうまく処理する」ということなのです。
中国語では現代でもこの意味で使われており、『料理家務』は「家事を切り盛りする」ことであり、『料理自己』といえば、「自分のことをうまく処理する→自分で自分の面倒をみる」ということです。となると、「料理茶屋」を中国語風に理解すれば、「お茶屋さんを切り盛りする」ということになります。
日本語の「料理」も古くにはその意味で使われていたようですが、かなり早い時期に、食べ物を調理するという意味でも使われるようになりました。本来「料理」する対象は物事などの抽象的なものであったのが、次第に魚や鳥などの調理の材料もその対象となり、現代日本語ではもっぱら「調理」義で使われるようになったのではないかと考えられます。
現代日本語にも、「こいつをどう料理してくれようか」とか「敵を料理する」などという、「料理」の対象が調理の材料以外の表現がありますが、これはもっぱら、相手を制したりやっつけたりするときに限定されることからも、「物事をうまく処理する」義の名残りではなく、「調理」義からの派生だと考えるのが自然でしょう。
ところで、中国語には、「料理」を意味することばとして『菜』があり、「日本料理」は『日本菜』と言われていたのですが、近年『日本料理』『韓国料理』『健康料理』などのように、「料理」の意味で『料理』ということばをしばしば目にするようになりました。これは日本語の「料理」という語が台湾、香港を経て大陸に伝わり、浸透していった結果だと考えられます。ただ、現時点では「料理」の意味で幅広く使われることはなく、『~料理』のように頭に国名などを冠する用法に限られているようです。
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