「九評」、民主中国の礎石

大紀元時報のシリーズ社説「共産党についての九つの論評(九評)」を発表してからすでに4年が経った。「九評」は中国共産党(中共)の真相を明らかにしており、中国内外で影響を与え続けている。中国人のみならず全世界の人々が、共産主義のイデオロギーにより中国大陸で発生した様々な災厄を深く認識した。歴史的に見ても、現実を見ても、中共政権は形式上変化したように見せかけても本質は変わらず、弾圧、迫害、欺瞞、略奪の本質を持ち続けている。一方、「九評」が引き起こした脱党、退団、退隊の大波は、血まみれの中国を洗い清めている。

中共メディア独占の局面を打破するために、今世紀、「大紀元時報」と、その他の独立メディアが現れた。現在、「九評」は世界思想史上の記録される書になっただけでなく、民主中国の礎石にもなった。ある中共党員は「九評」に言及した際、私に対してただ一言、「もうそれまでだ」と、後は沈黙するだけだった。

「九評」が中共内部で引き起こした反響は日増しに顕著になっている。良心がまだ残っている多くの中共党員や幹部弟子もそれぞれの形で「九評」を認めた。かつて勤めていた新華社でも、2人の副社長および複数のベテラン編集記者がすでに「九評」に対して共鳴する文章を発表した。他の領域でも、友人が「前進したい人は大勢いるが、後押ししてくれる人を待っているだけだ」と明らかにした。日増しに強化された専制弾圧は、「九評」に書かれた中共滅亡のシナリオの進行を加速させている。

「九評」は発表されてから今日まで、中共当局は反発する力もなければ反論もしない。残された選択は二つしかない。①「九評」を読んだ人、「九評」を広めた人を投獄させる②手先を派遣して「大紀元」関係者を襲撃し、「大紀元」の設備を破壊する。この二つの選択しかないのを見ても、中共の道が尽きて行き詰まった状態を十分に表すものである。一方、「九評」の再版は雨後の筍のように次々と現れた。「大紀元」はすでに中国独立メディアの支柱となった。この4年は瞬く間に過ぎてしまい、表向きは堂々として威容を誇る中共は、多くの人に後ろ指さされるものに転じた。共産全体主義制度は変える必要があると悟った人はますます増えている。思想変化の力は必然的に行動へと変わるが、「九評」を広め続けることは目下の最重要事項で無視できないものだ。

2008/11/18パリにて

(翻訳・余靜)
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私は経済記者として1990年代後半から日本経済、そしてさまざまな産業を見てきた。中でもエネルギー産業の持つ力の巨大さ、社会全体に影響を与える存在感の大きさが印象に残り、働く人の真面目さに好感を持った。特にその中の電力産業に関心を持った。