新型インフル世界的流行の可能性=サイエンス誌

【大紀元日本5月17日】5月11日、サイエンス誌がインペリアル・カレッジ・ロンドンの科学者とWHOおよびメキシコ衛生組織が共同でA型インフルエンザ疫病状況の4月末までのデータにより評価、分析、モデリング研究後に得た結果について発表した。結果では、現在この新型インフル大流行の早期である可能性が高いということが明らかになった。以下は主な研究発見である。

最近までのデータと疫病大流行の早期状況が非常に一致しているという。

研究員はメキシコ新型H1N1インフルの致命率は0・4%と予測。1957年の疫病状況とよく似ているそうだ。さらに研究員は1957年以来世界各国の衛生状況は大きく改善されていることを強調している。

この新型インフルは今年2月15日にメキシコで発生し始め、4月末で2・3万人のメキシコ人が感染した可能性(はっきりとしたデータではないが、感染者数は6千から3・2万人の範囲)があり、そのうち91人が死亡している。このインフルの致死率(CFR)範囲は0・3%から1・5%で最も可能性が高いのが0・4%。

各感染病例の平均伝染は1・2人から1・5人。一般的な季節性インフルの感染危害に比べると高く、インフル大流行時の比べると低い。一般的な季節性インフルの中では通常10%から15%の人が感染し、大流行時には20%から30%の人が感染するという。

メキシコのラ・グロリア村の感染状況を研究したところ、15歳未満の児童がこのウイルスに感染する率は61%。ほかの年齢層の感染率は29%であることから倍以上の感染率の高さである。感染者が子供に集中している理由として学校へ行くことなどが挙げられ、また大人が子供より免疫力が強いことも挙げられている。

この論文の関係者はロンドン帝国学院疫病分析モデリング医学研究センターのニール・ファーガソン教授は、「我々の研究ではこのウイルスは蔓延しており、現在大流行の早期段階である。ウイルス感染や致死率から見ると1957年のアジア・インフルエンザの大流行に非常によく似ていると言えるだろう」と述べている。

さらに、「我々はこの状況を一般的な季節性インフルとは異なるものとみており、皆、この問題について引き続き注意をすべきだと考えている。また、この流行病は我々の医療保険系等に倍の負担をかけると予想されている。しかしながら、A型インフルは1918年のスペインで流行したインフルエンザのように容易に伝染あるいは死亡に繋がるものではないことは明らかだ」1918年に流行したインフルエンザでは米国だけで50万人以上が死亡。1957年のアジア・インフルエンザでは7万人が死亡している。さらに一般的な季節性インフルでは約3・6万人が感染死亡しているという。

これまでのところ、米国では2618例の新型インフルと診断された病例があり、うち3人が死亡している。

(記者・李天宇、翻訳・坂本)
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