南北2大有力紙、江沢民派閥同時討伐=中国

【大紀元日本7月30日】中国経済関連の有力紙「21世紀経済報道」は7月20日、トップ記事で、香港の大富豪・李嘉誠氏が、上海市内中心部の人気エリア「東八塊」の近隣の土地の買収に成功し、この国有地を狙っていると報じた。同日、北京の経済有力紙「財政雑誌」が、上海の富豪・顔立燕氏が再び上海市公安局に逮捕され、調査を受けている事件を報道した。上海勢力の汚職問題に詳しい上海市在住の弁護士・鄭恩寵氏は、李・顔両氏とも江沢民家族と緊密な関係を持ち、南北の2大有力紙が同時に上海派閥の汚職問題を報道するのは、矢先は江沢民勢力であると指摘する。

もっとも注目されるのは、広東南方新聞集団傘下の「21世紀経済報道」の報道。「李嘉誠、『東八塊』に巻き返し急接近」と題するこの記事は、「東八塊」と名づけられた上海市内中心部の人気エリアについて、香港の大富豪・李嘉誠氏が近隣の土地の買収に成功し、この国有地を狙っていると報じている。

2002年5月、この国有地の売却をめぐって、李嘉誠氏は周正毅(当時の上海一の大富豪)を相手に、争奪戦を繰り広げ、話題になった。高値を付け獲得しようとした李嘉誠氏だが、裏で江沢民派の支持を得ていた周氏に負け、上海市政府は周氏と売却契約を結んだ。その後、この土地の住民が強制立ち退きに抗議し、周正毅氏は訴えられている。住民の訴訟案を担当した弁護士・鄭恩寵氏は、「東八塊」が再び紙面トップを飾る裏には、江沢民派に対する政府内部の圧力があるとみている。

また、同日に、中国財政部が管理する「財政雑誌」は、「顔立燕の案件が復活」と題する文章を掲載した。それによると、上海の富豪・顔立燕氏は、5年前の上海市社会保障基金を不正に流用した容疑者の一人で、現在上海市公安局に逮捕され、再び事情聴取を受けているという。同雑誌は、この事件について「この神秘の富豪は、上海市の国有資金を自由自在に調達できた。また、上海市社会保障基金の不正流用の案件でも無傷で身を守りぬき、何回も調査から逃れた・・・」と記している。

前述の弁護士・鄭恩寵氏は、顔立燕氏は江沢民派と密接な関係があると述べ、「この案件が再調査されるということは、江沢民派にとって明らかに不利」であり、「中央財政部がこの案件を再び提起することには、なにか裏があるに違いない」と説明した。

鄭弁護士によると、ある匿名の中央高官が、「江沢民派・上海勢力の汚職問題を暴露する文章をどんどん出してほしい」と度々彼に伝えてきたという。鄭弁護士は、「この2つの報道は、一種のメッセージだ。すなわち、最高指導部の胡錦濤派と江沢民派の権力闘争が新たな段階に入ったということだ」と指摘した。

また、鄭弁護士は「江沢民に対する反対勢力は、わざわざ7月20日(1999年7月20日、当時の国家主席・江沢民は法輪功への弾圧を発動した)という日を選んで、江沢民に打撃を与えようとしている。この日は法輪功と関連があり、江沢民にとって一番の弱みだ。私個人が思うには、江沢民への総決算の日はそう遠くはない」という。

(翻訳編集・叶子)

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