漢民族数万人デモ、治安悪化に抗議=中国新疆

【大紀元日本9月4日】中国新疆ウイグル自治区ウルムチ市で3日、約1万人の漢民族住民が自治区政府前に集まり、治安悪化に抗議した。また、自治区トップの王楽泉共産党書記の辞任を求める大規模なデモ事件も発生している。

新華社3日付の報道によると、3日11時からウルムチ市内の数か所で数千の漢民族住民が集まり、最近相次いで発生している注射針による通り魔事件で、多くの被害者を出したことに抗議した。抗議者はその後数万人まで増えたという。

また、BBCの報道によると、2日から抗議デモが始まり、数千人の漢民族住民がウルムチ市内の数か所で同時デモ。自治区トップの王楽泉共産党書記の辞任を求めるデモがあったという情報もある。

新華社が自治区政府の公表を引用した報道によると、ウルムチ市内の公共施設で最近、注射器を使う通り魔事件が連続して発生し、漢民族、ウイグル族、回族、カザフ族、モンゴル族など9カ族に及ぶ被害者が出ている。また、通り魔事件に関与する15人の容疑者は逮捕されたと伝えられている。

被害者の人数や容疑者の身分について当局は伏せているが、被害者の数は約400人にのぼるとする報道もある。ウルムチ市公安局は海外メディアの取材に対して、15人の容疑者はすべてウィグル族であると語った。

漢民族住民の間では「我々はウイグル族に狙われている」との流言が広がっている。

現地住民の情報によると、3日、ウルムチ市内への通信が遮断され、現在連絡が取れない状況となっている。

当局発表で死者約200人、負傷者1700人を出した7月5日の暴動からほぼ2か月が経過。新疆ウイグル自治区では民族対立が依然として深刻だ。現状への不満、不安に満ちた漢民族住民らの矛先は、今や政府当局に向かっている。

(翻訳編集・小沢)
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