誠実の価値、代え難い無上の宝
【大紀元日本9月7日】中国深圳市で企業の求人に応募したある男性は、いろいろな面でかなり良い条件が揃っていることから、たくさんの応募者の中から最後の面接まで勝ち残った。面接はこの企業の総裁自らが行った。
男性が総裁のオフィスに入った突端、総裁は喜びと驚きの表情で席から立ち上がり、男性のほうへ駆け寄ってきて手を強く握り、「世界は狭いね。今日ここであなたに会えるなんて思ってもみなかった。この間、東湖へ遊びに行った時、私の娘が湖に落ちたのを見て、あなたは危険を顧みず湖に飛び込み、娘を救ってくれた。その時は慌てていたので、あなたの名前を聞く間がなかった。あなたの名前は?」
男性はその話にまったく覚えがなく、きっと人違いだと思い、総裁に対して「私はこれまで東湖で人を救ったことはありません。きっと人違いです」と落ち着いて答えた。しかし、総裁は男性の説明を一切聞かず、自分の主張を押し通そうとした。男性のほうも人違いだと主張し続けた。しばらく経ってから、総裁は笑みを浮かびながら男性の肩を叩き、「面接は合格だよ。明日から出勤だ。今から人事部に行って手続きしなさい」と話した。
実は、東湖の話は総裁が自作自演した心理テストで、応募者が誠実であるかどうかを試すためであった。この男性の前に何人かの応募者も面接を受けたが、全員、このうまい話に乗って、この「功績」を自分のものにしようとしたことから、全員不合格となった。しかし、この男性は自分の誠実な心により、成功者の仲間入りをしたのである。
成功は往々にして誠実を伴うものであるというのは、多くの事実で実証されている。誠実は、良い人になるための最も基本的な人格要素であり、人間に求められる最も基本的な道徳でもある。誠実は、成功のいしずえであり、成功者の道標でもあるのだ。