満腹なのにおやつが食べたくなるのはなぜか?

日常生活の中には至るところに食べ物の誘惑があり、目にするとつい食べたくなってしまいます。研究によると、私たちがすでに満腹であっても、脳は魅力的な食べ物のシグナルに反応し続けることが分かっています。これが、食事を終えたばかりでも、ついおやつを食べてしまう理由です。またこれは、多くの人が肥満の状態にあり、どれだけダイエットしても思うような効果が出にくい理由の一つを説明している可能性もあります。

イギリスのイースト・アングリア大学は、広告があふれ、スナックが至るところにある現代社会において、同大学の研究チームによる今回の研究結果が、なぜこれほど多くの人が健康的な体重を維持するのが難しいのかを説明する手がかりになると述べています。

この研究を主導した同大学の心理学者サンブルック氏は次のように述べています。

「肥満は世界各地で深刻な健康危機となっています。しかし肥満率の上昇は、単に意志の力の問題だけではありません。私たちは食べ物が豊富にある環境に置かれており、さらに魅力的な食べ物に対して後天的に学習された反応が、身体が本来持っている食欲の自然なコントロール能力を抑え込んでいるのです」

同氏は、人がすでに満腹感を感じているときに、脳が食べ物のシグナルにどのように反応するのかを、より深く理解したいと考えたと述べています。人々が食事をした後の脳波を研究したところ、すでに満腹である可能性が高いにもかかわらず、脳はそれをあまり気にしていないように見えたといいます。

同氏は次のように語っています。

「実際のところ、どれだけ満腹であっても、脳が『おいしそうな食べ物』に対して示す反応を止めることはできません。これは、空腹でなくても、食べ物のシグナルが過食を引き起こす可能性があることを示しています」

この研究では、研究者たちは脳波計(EEG)を用いて、76人のボランティアが食べ物(例えばキャンディー、チョコレート、ポテトチップス、ポップコーンなど)を報酬として得る学習ゲームを行っている間の脳活動を記録・観察しました。

ゲームが半分ほど進んだ時点で、参加者には食べ物が与えられ、もう食べられないと感じるほど満腹になるまで食べてもらいました。

研究者によると、参加者は確かに満腹になっていました。全員が食べ物への欲求が明らかに低下したと答え、行動面からもそれらの食べ物をそれほど重視していないことが示されました。しかし、脳は異なる反応を示していました。

EEGの結果によると、参加者が完全に満腹になった後でも、脳の報酬に関連する領域の活動は、もはや食べたいと思っていない食べ物に対しても、同じように強い反応を示していました。

サンブルック氏は、研究の結果、人がどれほど満腹であっても、脳は食べ物が魅力的に見える度合いを下げようとしないことが分かったと述べています。食べ物が目の前に現れると、脳は依然として「報酬だ!」というシグナルを出します。これが過食につながりやすいのです。

食欲をそそる様々な食べ物。(Shutterstock)
さまざまな魅力的な食べ物。(Shutterstock)

 

あなたが気づいていない食習慣

この研究は、人が食べ物のシグナルに反応する仕組みが、習慣に似ている可能性を示しています。これは自動的で、学習によって形成された反応であり、長年にわたって特定の食べ物を快感と結び付けてきた結果として生まれたものです。

サンブルック氏は次のように述べています。

「こうした習慣的な脳の反応は、私たちの意識的な決定とは独立して働く可能性があります。つまり、自分では『空腹だから食べている』と思っていても、実際には脳がすでに慣れ親しんだ一連の反応パターンに従っているだけかもしれないのです」

この研究は、自制心が非常に強い人であっても、無意識の神経反応の影響を受ける可能性があることを示しています。

サンブルック氏は次のように述べています。

「もし夜遅くにおやつを食べたい衝動を抑えられなかったり、満腹でもおやつを断れなかったりする場合、問題はあなたの自制心ではなく、脳の固有の仕組みにあるのかもしれません。だからこそ、ドーナツの誘惑に抗うのがほとんど不可能に感じられるのも無理はないのです」

これらの研究成果は、学術誌『Appetite』に掲載されました。

現代人において肥満は非常に一般的で、多くの人は自分が肥満であることにさえ気づいていません。以前アメリカで行われた調査では、およそ3分の1の人が自分が過体重であることを知らなかったことが分かりました。

イースト・アングリア大学の研究が示しているように、人は食べ物の誘惑に抵抗するのが難しく、その結果、食べれば食べるほど太りやすくなる可能性があります。これについて、以前オーストラリアの研究者は、このような欲求に対抗するいくつかの方法を紹介しています。その中には、より健康的な方法で欲求を満たすこと、例えば好きな甘いお菓子の代わりに果物を食べることなどが含まれます。

(翻訳編集 日比野真吾)

陳俊村