新書 「血まみれの臓器狩り」、法輪功学習者から臓器摘出調査報告 カナダで出版
【大紀元日本11月21日】カナダの著名国際人権派弁護士デービット・マタス氏(David Matas)とカナダの元内閣大臣で公訴官のデービット・キルガー氏(David Kilgour)が、中国の監禁施設で法輪功学習者が生きたまま臓器を摘出・売買されている実態を告発する新書『血まみれの臓器摘出』(Bloody Harvest, The killing of Falun Gong for their organs)がこのほど、カナダで出版された。11月16日カナダ国会で開かれた新書発表会で、マタス弁護士は、間もなく中国を訪問するハーパー首相に、中国政府に対してこの問題に言及するよう訴えた。
11月16日、両著者は、カナダ国会の中で開かれた新書発表会で、臓器狩りの実態調査の経緯を説明した。「ハーパー首相に、この問題に言及してほしい」と、カナダ政府から「国際人権および民主発展センター(International Centre for Human Rights and Democratic Development)」の理事に任命されたばかりのマタス氏が、発表会で訴えた。
カナダ国会で開かれた新書発表会で発言するマタス氏(Samira Bouaou/The Epoch Times)
2006年3月、一人の中国人女性がワシントンで、中国での法輪功学習者に対する臓器摘出犯罪を告発した。眼科医である元夫が2003年から2005年までに、中国東北部の瀋陽市蘇家屯医院で、監禁中の約2千人の法輪功学習者の角膜を摘出した。被害者のその他の臓器も摘出された後、火葬されているとの内容だった。
その後、ある国内の軍医からの匿名投書は、中国当局の政府機関と病院が連携して暴利を貪るため、法輪功学習者の臓器を強制摘出していると告発した。
中国当局は当初からこの内部告発を否定し続けた。ワシントンのある人権団体から、本件の独立調査の依頼を受けた、とマタス氏は説明。
「私たちには一銭の報酬もない。この依頼を引き受けたのは、生身の人間が、臓器を摘出されてから殺されているからだ」と同氏は語った。
3ヶ月あまりの調査を終えて、2006年7月6日、両氏は「中国当局の法輪功学習者への臓器狩りに関する独立調査報告書」の初版を発表。2000年から、中国全土でこの臓器狩りがずっと続けられているとの調査結論を下した。
当時、マタス氏は、「これは、まさに地球上で未曾有(みぞう)の邪悪犯罪です」と語った。
その後、両氏は新たな証拠や情報を盛り込んだ報告書を3度にわたり発表した。2008年11月、国連は中国当局に対し、独立調査団を結成してこの臓器狩りの告発の調査と、加担する者への法的責任の追及を要求した。それに中国当局は応じていない。
発表会で、マタス氏は、証拠として採用されている一部の電話調査の録音内容を読み上げた。外国の臓器移植待ちの患者に扮した調査員が、中国国内の関連病院に移植の問い合わせをする電話の対話記録である。
マタス氏によると、両氏はこれから世界各地で本書のキャンペーン活動を行う予定。「事実関係が立証された以上、私は努力してこの邪悪な犯罪を制止しなければならない」と同氏は語った。
人権や、移民、難民問題などの法律分野で多大な精力を注いできたマタス氏は、2008年12月30日に、カナダ総督から国民最高栄誉賞(Order of Canada)を授与された。