新年のご挨拶

【大紀元日本1月1日】

明けましておめでとうございます。

除夜の鐘が鳴り響く中、21世紀も00年代が終止符を打ち、新たな10年、2010年代の幕開けとなりました。新しい年の光が暗闇を通し、広大無辺の宇宙に照り輝いています。

日本は、過ぎ去った一年を「新」の一文字でまとめました。新政権・新政策の誕生、新型インフルエンザの猛威、新時代の幕開け。さまざまな未知なことに、恐怖と不安を感じながら、新たな一歩を踏み出し、新しい時代に期待したい我々の選択を表します。

一方、世界の秩序を変えつつある隣の大国では、多くの人々が「被」を選びました。主体的な意思を許されず、やらされ、支配されるという受動的な生態環境をリアルに再現した一文字です。中国の人々がこの文字を選んだのは、民意や行動が独裁政権に支配されていることに対する反発の現れと考えられます。

彼の国では、自由、民主、平等、信仰、自己の尊厳、利益、財産を守ろうとすれば、ことごとく打ち砕かれるのは言うまでもなく、いかなる希求を持たなくとも、言動や思想が規制されるのです。クリスマスの日に11年の判決を言い渡された民主活動家、劉暁波氏の例は、共産党政権に対して夢想を放棄しない人々への警鐘のつもりでしょう。

グローバルな視点から、日米等先進国の対中外交を検証してみても、この「被」の字が当てはまります。昨年は、経済成長や金融危機からの脱却を中国に頼ったため、北京当局に牽制、愚弄された一年となりました。コペンハーゲンでの国連環境会議が、その顕著な例と言えます。

開会前から、北京当局は周到な戦略を立て、会議中に受け入れ不可能な目標を先進国に押しつける一方、裏では途上国を煽ったり会議を欠席するなどの戦術で、あらかじめ大筋の合意があった協定を破綻させました。しかし、各国は、中国の協力なしでは事が成立しない、という従来の固定観念から抜け出せず、自由社会は牽制、愚弄されたまま、北京当局の芝居を受動的に傍観せざるを得ませんでした。

その一方で、私たちの気付かないところで、光は暗闇を破り、差し込みつつあります。中国大陸では水面下で、共産党組織からの脱退声明を出し、自らの手で、恐怖感に束縛されている良知を解き放とうとする人々が、日増しに増えています。国際的にも、スペインとアルゼンチンの裁判所が、江沢民らに対して、ジェノサイド罪で起訴と逮捕への道を歩み出しました。いずれも、北京当局に対する黙認、妥協、表面的な牽制、形式的な批判ではなく、正義と法をもって真正面から、中国共産党政権を制しようとするものです。

トルストイはかつて、「最高の幸福は、一年の終わりにおいて、年頭の自分よりも向上したと感じることである」と語りました。現状に甘んじながら幸福を祈るより、青い鳥を求めて行動し、向上していくこと。これは、大紀元日本の一貫した使命であり、本紙を愛読してくださっている皆様にお届けしたい新年のメッセージでもあります。

読者の皆様ひとり一人が、自らの青い鳥をみつけられる、素晴らしい2010年となりますよう、心よりお祈り申し上げます。

大紀元日本語編集部スタッフ一同

2010年元旦

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