「中国で大地震はしばらく起きない」 青海大地震、予測を当局が否定 専門家:「泣くに泣けない」

【大紀元日本4月16日】先月9日、中国各紙は、中国国家地震局専門家の取材記事を掲載、「近々中国大陸で壊滅的な大地震が発生することはない」と報道した。1カ月後の4月14日、中国青海省でM7・1の大地震が発生、760人以上の死者、1万人に上る負傷者を出す大惨事となった。

中国地震諮問委員会の沈宗丕委員、山西省地震局のエンジニア余向紅氏など数々の専門家が青海大地震の発生を正確に予測していたにもかかわらず、中国国家地震局はその予測報告を重視せず、否定的な見方を社会に発表した。

本紙の取材に応じた山西省地震局侯馬地震観測点のエンジニア余向紅氏は、「心が痛む。泣くに泣けない」と地震の災害状況を複雑な心境で嘆く。

地震が発生した前日の13日、余氏は、国家地震局に、「4月14日から17日の間、北緯32度07分~33度07分、東経95度08分~96度08分の間で、つまり青海省玉樹付近で、震度5・0~5・5の地震が発生する」と報告、時間、場所ともに正確に予測した。震度について、実際とずれがあったが、「資料、設備ともに不足していたため」と余氏は説明した。

余氏は国家地震局に報告したほか、携帯電話で地震台網センターにショットメールを送り、地震台網センターから受け取りの確認返信も受けたという。

余氏は、今年1月31日に四川省遂寧市付近で発生したM5の地震、台湾で発生した地震を正確に予測した。

余向紅氏よりも早く青海大地震を予測した専門家もいた。中国地震諮問委員会の沈宗丕委員など3人は昨年11月に、中国西部または西南部で2010年4月13日の1、2週間前後に、M7・5~8・5の大地震が発生すると予測した。12月31日、沈氏などが同予測を当局に報告、当局に「予測範囲をもっと正確に設定するための測定措置をとってほしい」と要求した。

今年の3月13日、沈氏らが同予測報告を地震観測、地震速報を行う中国地震台網センターに提出した。4月3日にも中国地震予測諮問委員会の専門家に同予測を知らせ、同時にほかの28名の専門家に電子メールで予測結果を送付し、差し迫っている地震の発生時間と発生地を特定するよう協力を呼びかけた。

中国地震諮問委員会の沈宗丕委員のブログ。昨年11月にアップした予測記事で、今年4月13日に中国西南部大地震発生と明記している。

しかし、同予測結果に賛成したのはただ一人の教授で、ほかの専門家は4月に中国大陸で大地震が発生する可能性は低いと見て、それ以上の議論をしなかった。失望した沈委員らは4月10日、予測報告を自身のブログに掲載した。

4月10日付の沈委員のブログに掲載されていた「2010年全世界M8の大地震に対する短期予測に関する報告(2)」によると、2010年4月13日±7~14日間以内に環太平洋地震帯(特に台湾省と近隣海域が要注意)、ユーラシア地震帯(特に中国西部または西南部が要注意)、中国大華北地区(特に小華北地区)にM7・5~8・5の大地震が発生する恐れがあるという。

現在、沈氏の同ブログはすでにアクセス不能になった。

青海大地震発生後、インターネットで沈氏の報告書が各掲示板に転載され、多くのユーザーはその正確さに驚くと同時に、報告にあるほかの予測が「現実にならないよう祈るばかり」だという。

余氏、沈氏などのほか、かつて5・12の四川省汶川(ブンセン)大地震を発生の4ヶ月前に正確に予測した河南省郸城県の地震予測員張徳亮氏も2月28日、チベットと四川省の付近で3月20日に、M7・8の強震が発生すると予測、当局に予測報告を提出した。

(記者・辛フー、翻訳編集・高遠)
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