偏頭痛で英語が中国語なまりに=英国女性

【大紀元日本6月6日】中国に足を踏み入れたこともない英国人女性がひどい偏頭痛のあと、家族や友人にも本人と認識されなくなるほど強い中国語なまりの英語を話すようになった。英紙「デイリーメール」が伝えている。

英国デボン州プリマスに住むセーラ・コールウィルさんは、10年間、偏頭痛に苦しめられていた。しかし、今年3月に孤発性片麻痺性偏頭痛という脳の血管を膨張させ、卒中のような症状を引き起こす苛酷な偏頭痛に襲われ、救急車で病院へ搬送された。通常は1週間ほどで消える症状だが、コールウィルさんの場合は脳の一部が破損されるまでに至った。

救急隊員によると、コールウィルさんは搬送中、変な声を出していたという。その後、コールウィルさんは、中国語なまりで話していることに気付いた。

コールウィルさんは搬送先の病院から継娘へ電話をかけたが、娘は「中国人からの電話だと思った」ようで、母親と認識できなかった。

「友人に電話をかけても、いたずら電話と思われて切られてしまうこともある」とコールウィルさんは言う。中国語の強いなまりのせいで家族の名前も正しく発音することができず、現在、治療のための言語セラピーに通っている。

コールウィルさんのケースは「外国語なまり症候群」(FAS:Foreign Accent Syndrome)という言語障害の一つで、世界に60ほどの事例しか報告されていない。英オックスフォード大学の音声学の専門家、ジョンコールマン博士によると、FASは脳梗塞や脳への外傷による脳障害を起因とする。「FASには実に様々なケースがあり、原因も一つではありません。医学的にもきちんと定義されておらず、ひとまとめに説明できない問題です」と博士は、英紙「ガーディアン」に語っている。

最初に報告されたのは、第二次世界大戦中、爆弾の破片により脳に障害を負ったノルウェー人女性が、ドイツ語アクセントを話すようになった1940年代のケースだ。1998年には、過去に交通事故で頭部に重症を負った米国人女性が治療のためカイロプラクティックに通った後、ドイツ語・フランス語・ロシア語などの外国語なまりを持つようになったというケースも報告されている。

(翻訳編集・佐渡)