【大紀元日本6月22日】漢方の不可思議な症例をご紹介するカルテシリーズも今回で5回目。今回のカルテの主人公は、わずか2歳半の時に奇病を患った60数歳になる男性。医者は病名も分からぬまま、3時間おきに注射をし続けたという。不幸なことに、この時、彼のそばには寄り添う両親もいなかった。孤独で苦しい治療が21日間続いた後、彼は突如、激しい笑いが止まらなくなってしまったという。ここから彼の深い苦悩が始まる。というのも、この激しい笑いは60数歳になるまで彼をさいなませ続ける呪縛となったからだ。そんなある日、彼に人生の転機が訪れることになる。
その日、診察を受けに行った彼は、待合室で赤子を連れた若い母親に出会った。診察室に入ろうとした母親は、見ず知らずの彼にわが子の世話を託した。母親から寄せられた信頼を喜んだ彼は、迷うことなく快諾した。この様子を見た医者は、彼にこんなアドバイスをする。「その赤子を、幼い頃の自分だと思いなさい」
彼は医者の言いつけどおり、その赤子を幼い頃の自分だと思いながら、ひたすら抱き続けた。この1時間の間、彼の身にある奇跡が訪れた。彼は全く笑うことがなかったのである。数十年も彼を苦しめ続けた、激しい笑いという奇病。一体何が原因でたちまち消え去ったのであろうか。胡先生がこの問題を読み解いた。
まず一つ目は、母親が彼に寄せた信頼だ。これにより、彼は自尊心を取り戻し、ありのままの自分を受け入れたのだろう。もう一つは、赤子の純粋さ。純粋無垢な赤子を抱いている時、彼はこの子に幼い頃の自分の姿を重ねたに違いない。そして彼は、無条件に捧げる母の愛を感じ取った。まさにその母の愛が、彼の深く傷ついた心を癒してくれたのである。彼は本来の自分、本来の自分の心を取り戻したのである。そしてこの時、彼は数十年間の呪縛から束縛されたのであった。
詳しくは新唐人テレビ局の『漢方の世界』でご覧下さい。
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