エスカレートする中国での迫害 沈黙を保つメディア=ワシントン・ポスト紙

【大紀元日本8月4日】日本の学校で学んでいた中国人留学生が、一時帰国した際逮捕され、10年の判決を言い渡されて、いまだに中国東北部の刑務所に拘束されている。精神病院に拘束され薬を強制投与された姉の救出のために、日本に帰化したある在日中国人が長年、日本の人々に呼びかけている。毎日東京の秋葉原や観光地で、自費で印刷したチラシを中国人観光客に渡し、中国での迫害の真実を伝える人たちがいる。

このような活動をする人が日本に多くいるにもかかわらず、メディアはほとんど取り上げることがない。暴行、拷問、餓死、監禁、臓器を摘出され闇市場に回される…法輪功学習者を対象としたこのような残酷な迫害が、中国では今も日々行われている。しかし、まるで、人権問題はもはや報道するに値しなくなったようだ。

これは、日本だけの話ではない。米「ワシントン・ポスト」紙は7月27日、「エスカレートする法輪功への迫害にメディアが沈黙(Media mum on Falun Gong – as persecution escalates)」と題する評論を掲載。中国共産党政権による法輪功弾圧はすでに11年続いており、深刻化する一方だ。しかし、メディアはそれほど深刻な人権弾圧を見て見ぬふりをしている、と指摘した。

7月23日、ワシントンの米国議会前で大勢の法輪功愛好者とその支援者が集会を行い、中国政府による迫害の制止を呼びかけた。ワシントン・ポスト紙は「ほとんどのメディアがこの集会を報道していない。人権侵害の問題に、例えば法輪功愛好者への弾圧、彼らへの日常的な暴行、虐待、餓死、強制労働収容所での監禁、臓器の強制摘出・売買などにもかかわらず、メディアはまるで報道する価値がないように対処している」と報じた。

この事実を裏付けるように、記者リーシャイ・レミシュ(Leeshai Lemish)氏が2週間前に、法輪功の広報センター「ファルン・インフォセンター」に記事を発表した。8年間に発表された1800通の欧米メディアの報道文について分析した結果、「監禁施設で拷問により死亡した法輪功愛好者の人数は増えているが、欧米メディアの関連報道は急激に減っている」という内容。

メディアが報道しない原因として、レミシュ氏は次のように分析する。「一つは、法輪功弾圧の問題を報道すれば、中国政府に封殺されたり、拡大している中国市場から追い出されたりするのではないか、というメディア企業側の危惧。もう一つの可能性は、欧米メディアは中国の強制労働収容所や、監禁施設を実際に現地取材するのが困難である」ために、報道が難しいというもの。 

一方、メディアの報道によって被害者が救われたケースも多くあるという。「強制労働収容所から生き残った人の証言によれば、弾圧状況が国際社会でどの程度公開されているかが、彼らの獄中での処遇に確かに関連している。一部の法輪功愛好者は、監禁中に突然、処遇が改善されて、拷問されなくなったりした。この種の変化は、彼らの処遇が国際社会で暴露された時期とほぼ同時だったことに、釈放後気づいたという」と、レミシュ記者は記している。

「ワシントン・ポスト」紙は評論記事で、「中国政府は非難を許さず、透明度が欠けているからこそ、欧米メディアは中共の重大な罪状を暴露すべき。特にこれは、監禁中の法輪功愛好者には有益である」と呼びかけた。

(翻訳編集・叶子)
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