海保が中国漁船の船長逮捕 中国、「中国の領土で日本船が中国漁船に衝突」

【大紀元日本9月9日】沖縄尖閣諸島の久場(くば)島沖の日本領海内で7日午前、違法操縦の疑いのある中国のトロール漁船が海上保安庁の巡視船の停船命令を無視して、巡査船に衝突し、逃走を図った事件で、石垣海上保安部は8日、公務執行妨害容疑で漁船の中国人船長ヂャン其雄容疑者(41)を逮捕した。

海上保安庁によると7日午前10時55分頃、ヂャン容疑者らの乗った中国漁船は、巡視船「みずき」が検査を実施するため、何度も停船命令を出すが従わず、漁船を衝突させ、逃走を図った。海保はさらに2隻の巡視船を出動させ、午後1時前に中国船を停船させて約20人の海上保安官による立ち入り検査を行った。発表にけが人はなく、ガソリンの流出もないという。この中国漁船にはヂャン容疑者含め15人が乗っていた。

日本政府の見方「1970年代の石油開発で初めて問題視」

仙石官房長官は8日午前、記者会見を開き、「わが国としては、違反の程度、対応等の考慮のうえ、わが国の法令に基づいて厳正に対処していく」と述べた。

尖閣諸島は、日本と中国・台湾間で領有権についてたびたび議論になり、外交に影響する問題となっている。外務省は公式に「(中台は)1970年後半東シナ海大陸棚の石油開発の動きが表面化すると、はじめて尖閣諸島の領有権を問題にするようになった」とし、「中国の領有権の主張は国際法上有効な論拠とはいえない」と発表している。防衛省は、11年度概算要求に同諸島の調査費を計上している。

5日に行われた民主党代表選挙でも、立候補者の小沢一郎氏は「歴史上も尖閣諸島が中国の領土になったことは一度もない」とし、菅首相は南西諸島への自衛隊配備を検討課題の一つとしている。

事件に対する中国本土の動き

事件が発生した7日の午後、中国外交部の姜瑜・報道官は定例記者会見で、「釣魚島(尖閣諸島の中国名)および周辺の島は古くから中国の領土」と主張し、「日本側は中国漁船および乗組員の安全を脅かす如何なる行為もしてはならない」と述べた。

同日の新華社報道では、「日本の海上保安庁の巡視船がやって来て、漁船に衝突した」と報じている。

中国外交部の宋濤・副部長は7日、丹羽宇一郎・駐中国大使に対し、中国船に対する違法な妨害行為を停止するよう厳重な申し入れを行った。

7日夜、程永華・中国駐日本大使は日本側に「直ちに乗組員の釈放と漁船の返還」を要求した。8日朝、日本側が船長逮捕に踏み切ったことに対し、抗議と釈放の厳重申し入れを行った。

また、尖閣諸島の中国領有を訴える「中国民間保釣連合会」は8日午前、北京の日本大使館前で抗議デモをし、船長らの釈放を要求した。

(佐渡)
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