ダニに咬まれ各地で死者続出 一年遅れの公表 「政権安定のため」か=中国

【大紀元日本9月14日】中国河南省商城県のある村で、73才の漢方医・呉德政さんはベッドの上で身体を丸め痙攣が続いた。身体の痛みを訴え続けていた呉さんは高熱、吐血、嘔吐,下痢が止まらず、3、4日後、器官機能が衰弱し、今年の6月11日にこの世を去った。

呉さんは「発熱を伴う血小板減少症候群」と診断された。ダニに咬まれたことが起因だった。

中国国内紙「新京報」9月8日付けの報道によると、呉さんのようなダニに咬まれた患者は今夏、商城県で数百人発覚され、そのうち数十人が死亡。村民たちはパニック状態になっている。昨年すでに死亡例があったのだが、村の幹部の話によると「維穏」(政権安定)のために昨年は公表しなかったという。

また、中国各地の報道によると、河南省のほか、北京、湖北省、江蘇省、安徽省など12の省で同じような疫病が発覚しており、確定した死者数は33人にのぼっている。

河南省では累計557人が発症、18人死亡

商城県でのダニ感染による死者数に関して、9月8日付けの「新京報」は、「関連情報は疫病の範囲であるため、県の疾控センターに死者数を発表する資格はないと同センターが示した」ことを報道している。

「新京報」報道の同日夜、河南省衛生庁が通達を公表した。これによると、疑似無形体病例が初めて発覚した07年5月から今年9月8日までに同省で発見された類似の病例は557例で、死亡者数は18人。特に信陽市の商城県溮(し)河区と光山県和平橋区に集中しているという。

調査によると河南省の今回の同症候群は5月から8月に集中して発生しており、40歳から70歳の間で多く発病しているそうだ。

この症候群は、発熱に伴い白血球、血小板が減少し、多臓器の機能障害を引き起こすことが特徴で、潜伏期間は1、2週間。多くは急性で、40度以上の高熱が続く。症状としては全身の不調、虚脱感、頭痛、筋肉痛、悪心、嘔吐、食欲不振、下痢など。心臓、肝臓、腎臓などの多臓器にわたる機能障害を伴う。

商城県基層病院では、昨年から現在まで誤診が起きており、一部医院の医療スタッフは、伝染病の予防治療法に則した患者処理を行っていない、と村民は話している。

このほか山東省の蓬莱市でも3人が同じ症状で死亡していると人民網が伝えている。各地が報道した情報を合わせると、少なくとも12の省で類似症状が報告されており、確定した死者数だけで33人以上にのぼっている。

(翻訳編集・坂本)
関連記事
中国共産党が7月に反スパイ法を改正し、邦人の拘束が相次ぐなか、外務省が発表する渡航危険レベルは「ゼロ」のままだ。外交関係者は邦人の安全をどのように見ているのか。長年中国に携わってきたベテランの元外交官から話を伺った。
日中戦争の勝利は中華民国の歴史的功績であるが、これは連合国の支援を受けた辛勝であった。中華民国は単独で日本に勝利したのではなく、第二次世界大戦における連合国の一員として戦ったのである。このため、ソ連は中国で大きな利益を得、中共を支援して成長させた。これが1949年の中共建国の基礎となった。
香港では「国家安全法」を導入したことで、国際金融センターとしての地位は急速に他の都市に取って代わられつつある。一方、1980年代に「アジアの金融センター」の名声を得た日本は、現在の状況を「アジアの金融センター」の地位を取り戻す好機と捉えている。
米空母、台湾防衛態勢に 1月29日、沖縄周辺海域で日米共同訓練が挙行された。日本からはヘリコプター空母いせが参 […]
上川陽子外務大臣は、パナマ在留邦人及び進出日系企業関係者と昼食会を実施した。日・パナマ間の経済分野における協力の可能性や課題、教育などについて、意見交換を行った。