東京で数千人が中国に抗議 中国各地でも大規模反日デモ(※修正再掲)

【大紀元日本10月17日】都内で16日午後、尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件をめぐり中国に抗議する集会のデモが行われ、元航空幕僚長の田母神氏や西村眞悟前衆院議員、地方議員らが参加した。主催側は参加者数は約3200で、またインターネット同時中継の観覧者は8000人以上に上ったと発表した。正確な参加者数について警視庁の報道部に問い合わせたところ、正式な発表はしていないという(※)

参加者は大小の国旗を掲げながら、青山公園から六本木の中国大使館までの1.6キロを行進した。若者や女性も多く、中国で弾圧されているチベット、ウイグル自治区や台湾などの関係者もそれぞれの旗を掲げて参加した。

一方、同日、中国四川省成都、西安など各都市でも尖閣領土問題について大規模な反日デモが行われた。日本メディアの報道によると、成都中心部のイトーヨーカドーや周辺の複数の日本料理店が襲撃されたという。反日デモについて、中国国内では、国営新華社の英字報道を除き、一切報道していない。掲示板などに投稿された情報もすべて削除された。

東京デモ 多数の一般人も

市民団体「頑張れ日本!全国行動委員会」などが主催した今回のデモに、若者や主婦など多くの一般市民が見かけられた。前回の10月2日に初めてデモに参加し、今回も参加した20代の女性2人は「尖閣の事件をニュースでみて、日本はヤバイなと思った。日本政府に私たちの気持ちが届いてほしい」と述べた。

青山近隣にすむ30代の主婦は、「いつもは(デモ行進というと)抵抗感があるが、

都内で16日午後、尖閣諸島沖の漁船衝突事件をめぐり中国に抗議する集会のデモが行われた。議員らや文化人のほか、若者や主婦など多くの一般市民が見かけられた(撮影・大紀元)

最近の政府の対応や中国の動きを見ると、デモがあるのもうなずける」と、参加者の掲げる国旗などを見上げた。

行進中、隊列はほとんど崩れることはなかったが、一度だけ場が緊張するハプニングがあった。行進の先頭に1人の男が現れ、在日中国人の人権侵害に対する反対の声を上げた時、警備をしていた関係者が男を列から引きずり出した。デモ隊は立ち止まりシュプレヒコールを強めたため、通行人らは一時不安の色を見せた。

デモに参加したウェブデザイナーでブログ「アニオタ保守本流」管理人の古谷経衡(つねひら)さんは、「決して(思想が)極端な人々が集まったのではなく、一般人が来てデモに参加している。台湾やウイグル、チベットの人も参加していて、アジアの声が中国政府に対する思いを反映している。(今回の尖閣騒動で)被害にあったのは両国の国民。どちらの国民も愛国心があるから、国を守りたいと思っている。日本は、攻められたのだから防衛手段をとっただけ」と述べた。

デモ行進と集会後、六本木の中国大使館前を訪問し、主催者側は「尖閣諸島は日本固有の領土であり、領土問題は存在しない」との抗議文を大使館へ届けた。デモの隊列は大使館前を一列になって通行し、尖閣諸島が日本の領土であるとのメッセージを再度示した。

中国、4都市で大規模デモ 報道規制

日本で行われた反中デモについて、新華社の中国語報道によると、中国外務省の馬朝旭(ばちょうきょく)報道局長は16日夜の記者会見で、「重大な関心を表明し、日本国内の大使館や総領事館の安全確保を求めた」との談話を発表した。

一方、同じ日に中国で行われた反日デモについての記者の質問に、「中日は重要な隣国同士である。両国間に存在する敏感・複雑な問題に関して、我々は対話を通して適切に解決し、両国間の戦略的互恵関係を維持していくべきだと主張する」と同局長は答えた。また、「一部の群衆が日本側の一連の誤った言行に義憤を示すことは理解できるが、法に基づいて理性的に国を愛する熱情を表現しなければならず、非理性的で法規に違反する行為には賛成しない」とも述べた。

馬局長の発言を報道した新華社の記事は、「個別な都市での渉日(日本に及ぶ)デモに外交部報道官が答える」とのタイトルで、反日の表現を避けている。また、中国国内で行われた反日デモに関するネット上の発言や、一部サイトでの報道はすべて削除されたことから、当局が報道規制を行っているのは明らかである。

対外的な発信をしている新華社の英字報道によると、成都のデモでは、約2000

10月16日、中国で少なくとも成都、西安、杭州と鄭州の4都市で大規模な反日デモが発生した。写真は鄭州市のデモ参加者(AFP)

人が「打倒日本」「釣魚島(尖閣諸島の中国名)を守れ」のプラカードを挙げた。西安では、学生ら7000人が市中心部の広場でデモを行い、日本の国旗を燃やしたり、日系スポーツ用品の店になだれ込んだりしていた。同報道は、参加者はネット上の呼びかけに応じた自発的な行為であるとしている。

英BBCの報道によると、16日、少なくとも成都、西安、杭州と鄭州の4都市で大規模な反日デモが発生した。成都での参加人数は1万人に上ると見られている。

日本国内メディアの報道によると、16日午後、成都市中心部のイトーヨーカドー春熙店前に、若者ら数千人が集り、「打倒日本」「日本製品ボイコット」などと書かれた横断幕を広げてシュプレヒコールを上げたり、同店に向かって石やレンガを投げつけたりしていた。また、周辺の複数の日本料理店も襲撃を受けた。警備の警察官とも一時的に衝突し、一部の抗議者が警察に連行されたという。

※一次掲載のところ、警察側が参加者数は5800人と発表したと報道していましたが、弊社の確認不足でした。読者の皆様に深くお詫び申し上げます。

(報道=佐渡、趙莫迦)
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