河北省村民「自家作物は食べない」 地下水汚染の恐れ

【大紀元日本12月1日】「自家作物は全部売る。これで稼いたお金で食糧を買って食べる」自家の井戸からくみ上げた地下水で食糧を育てるが、自家作物を絶対に口にしない河北省容城県の農民たち。

容城県は世界的に有名なシャツの生産地。付帯する印染工場の割合も大きく、汚染源となる産業である。このため周辺村では地下水などの汚染が深刻な問題となっている。

地方紙の「燕趙都市報」によると、容城県沙河営村には全県でも有名な印染工場があり、村民の家にある井戸からくみ上げられるのは全て黒い水だった。このため村では昨年、深さ400~500mの井戸を掘った。

印染工場から西側に500mほど離れた場所にある野橋村の村民たちは、以前のまま自分の家にある井戸を使用している。村民たちは、自分の家で育てた食糧は決して口にせず、できた作物は全て外へ売る。別の場所から買った食料なら安心して食べられるという。

村の用水路には、醤油色の汚水が流れ込んでいる。印染工場が排水したものだ。今は用水路を流れる水は少ないが、夏季に雨量が増えると廃水が溢れだし、この水に浸った作物は育たない。廃水は酸や苛性ソーダか何かだろう、と村民は話す。

容城県には規模の大きな製紙工場と印染工場が4か所あり、人口4000人以上の沙河村には製紙工場と印染工場がそれぞれ村の南と西にある。この印染工場の付近には排水口が見あたらない。だが工場から600mほど離れた用水路には醤油のような色の水が流れている。工場経営者が、地下パイプを通して農田内の用水路上に排水口を設け、排水しているのだと村民たちは話す。

この排水口のそばにある作業所の西側には深い排水溝があり、ザーザーと音を立てて汚水が流れ落ちている。作業所の南側の空地にはゴミの山ができている。現地の環境保護局によると、この作業所は製紙工場で、すでに閉鎖されているとのことだが、実際は、製紙工場からの廃プラスチックの加工作業が行われており、不法な生産が続いているようだ。

また、同県南の小裡村にある印染工場2か所の排水溝にも、沙河村ほどではないものの、色付きの汚水が排泄されている。

(翻訳編集・坂本)
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