シンガポール顧問相:中国、経済で台湾を丸め込む 独立阻止

【大紀元日本12月3日】ウィキリークスがこのほど公開した米政府の外交公電に、スタインバーグ米国務副長官が昨年5月、シンガポールの李光耀・顧問相と会談したときに、中国の台湾戦略について意見交流したことが記載されていた。公電によると、李氏は胡錦濤主席の台湾戦略を「実務的戦略」と称し、経済の浸透を通して台湾との繋がりを強化することで、台湾独立を阻止し、ひいては台湾を中国の統治下に納めることを目論んでいると分析していた。

リークされた対談資料によると、中国との交流を積極的に推進しなかった陳水扁・前総統の執政時は台湾経済が衰弱化したため、現・馬英九政権は中国との三通(通郵・通航・通商)強化により台湾経済を上向きにさせようとしている。また、台湾独立を唱える民進党支持者の台湾南部の農家にとっても中国は重要な市場である。一方、中国政府も台湾への投資を呼びかけており、株や不動産に大量な中国マネーが注がれた台湾経済は、4年以内に復活すると李氏は予測していた。

さらに、李氏は、北京当局にとっての短期目標は台湾独立を阻止することで、長期的な目標は台湾統一を成し遂げることだと指摘した。その道のりは40年、50年を要してもかまわない。独立さえ提唱しなければ、馬英九総統の「任期内の統一はない」との立場も黙認することができるが、いったん独立の道を進むと、中国は台湾との経済交流を絶ち、さらにアメリカにも対抗できる軍事力で台湾を攻撃するだろうと李氏は語った。

また、「胡後継者」とされる習近平氏も胡主席の台湾戦略を受け継ぐのかとのスタインバーグ副長官の質問に、李氏は「イエス」と答えた。

この点について、米VOAは台湾の国立政治大学の金栄勇教授の話として、「胡錦濤氏は今のポストを習氏に譲ったあとも、かつての江沢民のように党内で大きな影響力を持つ可能性が大きい。政策の制定や、人事の配置など、少なくとも最初の5年間は現行政策を引き継ぐだろう」とコメントした。

なお、今回リークされた資料によれば、昨年4月、台湾が世界保健機関(WHO)の年次総会にオブザーバーとして参加したことについて、中国当局は「広い意味での1つの中国」という視点で解釈できるとアメリカに寛容な態度を示した一方、武器輸出、特に軍用ヘリコプター「ブラックホーク」60機やF-16C/D型戦闘機の輸出には強い反発を示していた。

(翻訳編集・張凛音)
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