米フロリダ州のデサンティス州知事は2日、テーマパークを運営するウォルト・ディズニー社が長年にわたる中国での人権侵害に沈黙し莫大な利益を得ていると非難した。
デサンティス氏はジャクソンビル市で開いた記者会見で、中国共産党を「最大の地政学的脅威」だと表現した。その上で「米国のエリートたちは何十年もの間、中国を持ち上げるためあらゆる手段を講じて巨万の富を築いてきた。その結果、米国の弱体化や産業基盤の崩壊を招いた」と発言した。
2020年、100万人以上のウイグル人に対する人権侵害が指摘されている中国の新疆ウイグル自治区で実写版映画『ムーラン』を撮影したとして、ディズニーは世界的な批判を集めた。映画のエンドロールでは地元の宣伝部門を含む中国政府機関にも「特別な感謝」を示している。
昨年末には香港で開始したディズニー公式動画配信サービスで、中国共産党による1989年の天安門事件に言及した「ザ・シンプソンズ」のエピソードを削除している。
デサンティス氏は「中国共産党は目先の利益になることは何でもする」と述べ、日本や韓国などの同盟国との連携を強化し、影響力を拡大する中国を牽制する必要があると述べた。
いっぽうで幼稚園児や小学校低学年の児童に性的指向や性自認を教えることを禁じる下院法案について、ディズニーのボブ・チャペック最高経営責任者(CEO)は「基本的人権への新たな挑戦」だと非難。同州での政治献金をすべて停止すると発表した。
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