トランプ政権は先ごろ、児童性的捕食者の特定、追跡、および逮捕を目的とした「オペレーション・リレントレス・ジャスティス(容赦なき正義作戦:Operation Relentless Justice)」を開始した。
国土安全保障省(DHS:The Department of Homeland Security)のクリスティ・ノーム長官は12月19日のXへの投稿で、前政権下で行方が分からなくなっていた、保護者を伴わない不法移民の子供12万9,143人以上の所在を、DHSと保健福祉省が確認したと発表した。
ノーム長官は「これらの子供たちのあまりにも多くが、搾取や人身売買、虐待の犠牲となっていた」と記し、「我々は取り組みを一層強化し、最後の一人が見つかるまで止まることはない」と強調した。
2024年8月、DHS監察総監室が発表した報告書では、米国内で32万3,000人の不法移民児童の行方が分からなくなっていることが明らかになっていた。
2024年5月の時点で、これらの子供たちのうち3万2,000人以上に法廷への出頭命令が出されていたが、出頭は確認されていない。さらに、29万1,000人の子供については安全の確認が取れない状態であった。
DHSは11月14日の声明で、バイデン政権下で国境を越えて密入国し、審査不十分な身元保証人に預けられた数十万人の保護者を伴わない児童に対し、安否確認を行う取り組みを、移民・関税執行局(ICE:Immigration and Customs Enforcement)が地方および州の法執行機関と連携して開始したと発表した。DHSによれば、この取り組みの主な目的は、子供たちが搾取されていないかを確認することにある。
DHSのトリシア・マクラフリン広報担当次官補は、「保護者を伴わないで国境を越えてきた子供たちの多くが、密入国業者や性売買業者の身元保証人に預けられることを許されていた」と述べた。「我々は、性的搾取や強制労働の犠牲となった子供たちを救出するための活動を急ピッチで進めている」
また、「トランプ大統領とノーム長官は子供たちの保護に全力を注いでおり、子供たちを家族と再会させるため、今後も連邦、州、地方の法執行機関と協力していく」とした。
児童捕食者の掃討作戦
司法省(DOJ)が12月19日に発表した声明によると、トランプ政権は児童性的捕食者を特定、追跡、逮捕するため、新たに「オペレーション・リレントレス・ジャスティス」を開始した。
2週間にわたるこの法執行作戦により全米規模の取り締まりが行われ、293人以上の児童性的虐待犯が逮捕され、205人以上の被害児童が発見された。
FBI(連邦捜査局)のカシュ・パテル長官は、「オペレーション・リレントレス・ジャスティスは、いかなる子供も見捨てられないこと、そして我々の社会で最も脆弱な存在を標的にするすべての捕食者が責任を問われることを示している」と述べた。
「今年、FBIは全米で数百人の児童捕食者を発見・逮捕するため、複数の大規模な集中捜査を主導してきた。すべての子供が搾取のない生活を送れるようになるまで、我々は手を緩めない。全米の現場事務所、および連邦、州、地方のパートナーの総力を結集し、このような恐ろしい犯罪から地域社会を守り抜く」。
今回の作戦に先立ち、トランプ政権は5月に「オペレーション・リストア・ジャスティス(正義回復作戦)」を実施し、205人の児童性的虐待犯を逮捕、115人の子供を救出した。
続く8月には「オペレーション・エンデューアリング・ジャスティス(不朽の正義作戦)」により、234人の逮捕と133人の子供の救出に成功している。
FBIのダン・ボンジーノ副長官は12月19日のXへの投稿で、今回の作戦について、今年行われた児童に対する暴力犯罪取り締まりにおける「多くの成功した作戦の一つ」であると言及した。
ボンジーノ氏は「長官と私は、就任した瞬間からこの人命救助活動を最優先事項としてきた。そして、子供たちの神聖な信頼を裏切る悪魔たちを罰するために、局を挙げた取り組みを行うことを約束した」と記した。
12月19日、司法省は虚無主義的暴力過激派グループ「764」のメンバーが、児童の性的搾取に関わる複数の行為について罪を認めたと発表した。
同グループは、未成年者を組織的に標的とし、搾取するオンライン犯罪ネットワークである。罪を認めた加害者は、未成年者に対して性的行為や自傷行為を強要した疑いがある。
国家安全保障担当の首席次官補代理スー・J・バイ氏は、この加害者が「我々の社会の破壊を究極の目的とするオンライン捕食者グループを率いていた」と指摘した。
「彼らは、罪のない子供たちに暴力への抵抗感をなくさせ、自分自身や動物に対して凄惨で有害な行為を行うよう強要することで、その忌まわしい目的を達成しようとした。さらなる暴力を助長し、混乱を広めることを目論んでいたのである」。
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