10%の新関税が始動 日台欧州は既存合意の維持に注力し急変に備える

2026/02/26 更新: 2026/02/26

2月24日、トランプ政権による最新の10%の臨時関税が正式に発動し、今後150日間維持されることとなった。この動きは世界中に激震を走らせており、日本、台湾、EU(欧州連合)などの貿易パートナーは、不確実性を排除するために既存合意の着実な履行を急いでいる。一方で、物流大手のフェデックス(FedEx)は関税の還付を求めて米政府を正式に提訴した。コストコなど他の巨大企業もこれに続く見通しであり、全米で前例のない関税還付を巡る法廷闘争が幕を開けようとしている。

混乱の中での関税発動

トランプ米大統領(2026年2月20日):「我々はかつてないほどの(関税)収入を得ることになるだろう」

最高裁判所が先日、相互関税(Reciprocal Tariff)を違憲と判断したことを受け、トランプ大統領はまず24日から全世界に対して10%の臨時関税を課すと発表した。さらに先週土曜日には、税率を15%に引き上げる意向をSNSに投稿した。しかし、火曜日の深夜までに大統領が税率引き上げの命令に署名しなかったため、現在有効な税率は10%にとどまっており、今後150日間適用される。

各国の対応と既存合意の行方

関税政策が一夜にして変貌したことで、各国は対応に追われている。日本、台湾、英国、EUなどの貿易パートナーは、現行の関税合意を維持・実施する方向で動いている。

EUのセフコビッチ欧州委員(貿易担当)は、「判決が出て以来、米国のパートナーと連絡を取り合っているが、彼らからはEUとの合意に従うという保証を得ている」と述べた。セフコビッチ氏は、米通商代表部(USTR)のグリア代表やラトニック商務長官と繰り返し接触し、米国の次なる計画の確認を急いでいる。

経済専門家らは、米国が締結済みの貿易協定を覆すことはなく、根拠法を変更した上で、より時間を要する手続きに移行するだけだと分析している。ただし、台湾については不確実性を完全に解消するために、対等貿易協定の審議手続きを加速させる必要がある。

アジア諸国の見解

中華民国(台湾)の鄭麗君行政院副院長は次のように述べている。「これは、いわゆる再交渉ではない。我々は積極的に米側と連絡を取り、状況を把握していく。今後の結果は、すでに署名済みの国と未署名の国との間で、合意形成の度合いによって異なってくるだろう」

また、日経新聞は日本政府高官の言葉として、「判決は日本による対米投資計画の第1弾には影響しない」と報じている。韓国は、15%の相互関税は失効したとしつつも、昨年合意した貿易協定の履行について議論を継続する方針だ。

INGグループのグローバル・マクロ経済責任者、カステン・ブルゼスキ氏は、関税の有効期間は150日だが、トランプ大統領はこの期間を中断させるなどの手法を使い、実質的に無期限に延長できる可能性があると指摘している。

前例のない還付訴訟の嵐

一方で、先日の関税を巡る判決は、連邦政府に還付訴訟という課題を突きつけている。月曜日(23日)、物流大手のフェデックス(FedEx)は米連邦国際貿易裁判所に政府を提訴し、これまでに支払った関税の全額還付を求めた。この訴訟は、国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づく関税の回収に加え、関連する利息や弁護士費用の支払いも求めている。

このほか、コストコ、グッドイヤー、トヨタ、BYDなどの企業も還付を請求する計画を立てており、巨額の返還を求める動きが加速している。

王姿懿