米中通商トップ トランプ大統領の訪中を前にパリで会談

2026/03/16 更新: 2026/03/16

米国と中国の通商交渉責任者は3月15日、パリで新たな協議を開始した。北京での首脳会談を2週間足らずの後に控えたタイミングでの開催となる。

米国代表団はスコット・ベッセント財務長官とジェイミソン・グリア通商代表が率い、中国側は中国共産党の有力な政治局員であり、同国の経済司令塔である何立峰副総理が率いている。

中国国営の新華社通信によると、交渉は3月15日午前、フランスにある経済協力開発機構(OECD)の本部で始まった。

米中両国とも、会談の具体的な議題については明らかにしていない。中国商務省は3月13日の声明で、今回の協議では「双方が関心を寄せる経済・通商問題」を扱うと述べた。

ベッセント氏は3月12日の交渉発表時の声明で、自らのチームは「米国の農家、労働者、企業を第一に考える成果を出し続けること」を目指すと述べた。

この高官級会談は、3月31日から始まるとホワイトハウスが発表しているトランプ大統領の訪中に向けた地ならしになると見られている。

また、今回の会談は、2月下旬に米連邦最高裁判所が非常事態法に基づくトランプ氏の世界関税を無効とする判決を下して以来、両国の通商代表が初めて対面する場でもある。

その後、米大統領は1974年通商法122条に基づき、150日間有効な10%の輸入関税を課している。

この1週間でトランプ政権は、米企業に影響を及ぼす不公正な貿易慣行を行う国に対し、関税などの制裁を課すことを認める1974年通商法301条に基づく2つの調査を開始した。

3月11日、米通商代表部(USTR)は、米国に過剰な産業能力を輸出している国を特定するための調査を開始した。この調査対象には欧州連合(EU)、メキシコ、中国が含まれている。

また3月13日、グリア氏は中国を含む60の経済圏を対象に、輸出製品における強制労働の使用を抑制するために「十分な措置」を講じているかを評価する調査を開始したと発表した。

中国商務省の報道官は3月13日のオンライン声明で、米国の決定に対して不快感を表明し、トランプ政権にダイアログ(対話)を通じた問題解決を求めた。同報道官は、北京側は今後の展開を注視し、「自国の権利と利益を守るためにあらゆる必要な措置を講じる権利を留保する」と付け加えた。

非営利のビジネス推進団体である「繁栄するアメリカのための連合(Coalition for a Prosperous America, CPA)」は、トランプ政権による301条調査を歓迎した。CPAのジョン・トゥーミー会長は声明で、多くの国が補助金、賃金の抑制、国有企業、その他の政策を利用して「米国の製造業と投資を直接的に弱体化させてきた」と述べた。

昨年12月、当時の下院中国特別委員会の筆頭委員であったラジャ・クリシュナムルティ議員(民主党、イリノイ州)は公聴会で、中国が知的財産の窃盗、巨額の補助金、過剰生産、輸出ダンピング、強制労働という「経済的な常套手段」に頼り、世界の自動車および電気自動車市場を支配してきたと指摘した。

現在、米国と中国は1年間の「通商停戦」の状態にある。これは、2025年10月に韓国で行われたトランプ氏と習近平による首脳会談で合意されたものだ。

北京側は、米国産農産物の購入再開を約束したほか、フェンタニル前駆体の流入抑制や、すべての貿易相手国に影響を及ぼしていたレアアースに対する厳格な輸出規制の撤回に同意している。

パリへ向かう前に取材に応じたグリア氏は、米中関係は1年前よりもはるかに「均衡が取れている」と述べた。

同氏は、今回の通商交渉を、対中関係の安定を確保しようとするトランプ政権の取り組みの一環であると説明した。

グリア氏は3月13日のCNBCのインタビューで、「昨年中国側と重ねてきた多くの会談と同様に、我々は米中関係の継続的な安定を確保したいと考えている」と語った。

「我々の製造基盤に必要なレアアースを確実に確保し続け、彼らが我々から買うべきものを買い続けるようにし、そして首脳同士が会談して関係が我々の望む方向に進んでいるかを確認する機会を持ちたいのだ」。

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