日本が射程1千キロの長距離ミサイルを配備 中国共産党は強く反発

2026/03/13 更新: 2026/03/13

日本が熊本県に国産の長距離ミサイルを配備したことを受け、地域の安全保障環境に大きな関心が集まっている。中国共産党(中共)軍はこれについて、日本が「自衛の仮面を完全に脱ぎ捨てた」と強く批判した。一方、専門家は、中国の主張は地域安全保障問題における二重基準を露呈しているとの見方を示している。

防衛省は3月9日、改良型の12式地対艦誘導弾(陸上配備型)の熊本配備を当初計画より1年前倒しで実施すると発表した。配備は3月末までに完了する見通しだ。

日本メディアによると、このミサイルは射程を延ばした改良型で、射程は約1千キロ。九州から東シナ海の大部分を射程に収め、中国沿岸の一部地域にも到達可能で、上海も理論上の射程圏内に入るとされている。

北東アジアの地政学を長年研究している韓国の学者、李昇炫氏は、この配備について、日本が東シナ海方向に新たな陸上発射の長距離打撃能力を追加したことを意味すると指摘した。

李氏は、これにより中国が将来、戦時に東シナ海および周辺海域の制海権を獲得しようとする場合、より大きな抵抗に直面する可能性があり、中共海軍にとって東シナ海での主要な対抗相手は、日本の海上自衛隊艦艇や航空自衛隊だけでなく、日本の陸上配備対艦ミサイル戦力も加わることになると説明した。さらに、このミサイルシステムは射程が広いため、理論上は戦時に中共海軍基地内の艦艇にも脅威となり得るとの見方を示した。

台湾の台湾国防安全研究院戦略・資源研究所の所長、蘇紫雲氏も、日本の今回の配備は中国の戦略判断にも影響を与える可能性があると指摘している。蘇氏は、中国の北部戦区や中部戦区、天津から北京にかけての地域で本土防空の強化を促す可能性があり、台湾有事の際、中国が日本の目標を攻撃した場合や、日本が台湾防衛を支援する場合には、台湾東側で日本が長距離対艦ミサイルや対地ミサイルを用いて関連作戦を支援する可能性が高まるとの見方を示した。

日本政府は今回の配備について、日本の「反撃能力」の一環だとしている。

日本では2022年の岸田文雄政権以降、「反撃能力」が国家安全保障政策に盛り込まれた。これは、敵が攻撃を開始する差し迫った状況と判断した場合、相手の基地を攻撃できる能力を指す。

また日本の高市早苗首相は昨年11月、台湾が中国の攻撃を受けた場合、日本にとって「存立危機事態」と認定される可能性があると示唆した。この場合、日本は集団的自衛権を行使できる。その後、中国はさまざまな形で日本に圧力を加え、両国関係は急速に悪化したとされる。

蘇氏は今回の配備について、日本の防衛政策が重要な転換点にあることを示していると指摘した。従来の「専守防衛」から「敵基地攻撃」を視野に入れた戦略へ移行しつつあると説明し、北朝鮮のミサイル開発や中国の軍事拡張を背景に、日本が戦略の転換を進めているとの見方を示した。

中共政府側はこれに強く反発している。国防省報道官の蒋斌は、日本が「自衛の仮面を完全に脱ぎ捨てた」と批判し、日本の「新たな軍国主義」は地域の平和と安全を著しく損なうものだと主張した。

これに対し李昇炫氏は、中共が軍備拡張を続ける中でのこうした批判は二重基準だと指摘した。李氏は、中国が外交的非難を通じて周辺国の攻撃能力配備を問題視し、自国の軍拡の意図から注意をそらそうとしていると述べ、その効果は限定的だとの見方を示した。軍備拡張の規模が双方でそもそも同じ水準ではないためだと説明した。

公開資料によると、中国の国防予算は11年連続で増加している。2026年に公表された国防支出は約1兆9400億元で、前年比約7%増となった。外部推計では、中共海軍は300隻以上の軍艦を保有し、急速な造艦能力は「餃子を次々と作るような速度」と形容されている。またスウェーデンのシンクタンクの報告によると、中国の核兵器庫は世界で最も速いペースで拡張しており、核弾頭数はすでに600発を超えているとされる。

蘇紫雲氏は、中共が地域の軍事的緊張を日本の行動の責任とするのは概念のすり替えだと指摘した。蘇氏は、挑発しているのは中共であり、日本、韓国、台湾、フィリピンではないと述べ、中国こそが問題を引き起こしている側だとの認識を示した。

観察筋は、日本の安全保障政策の変化は中国の軍事拡張に対する反作用でもあると指摘する。地域の軍事バランスが変化する中、第一列島線の防衛構造も静かに再編されつつある。

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