グーグルの持ち株会社「アルファベット」会長エリック・シュミット氏は11月2日、北京で開かれたネットメディア「テッククランチ」主催のカンファレンスに参加。中国から撤退後も、ずっと北京当局と強いつながりをもっていると発言した。また北京当局がカリフォルニアまで会長を訪ねて来たことを明かし、中国本土市場への再参入をほのめかした。
グーグルは2010年春、中国政府による厳しいネット検閲と、人権擁護者の利用していた同社の無料メールサービス「Gメール」が中国のハッカー攻撃を受けたことを理由に、中国市場から退いた。
中国復帰について、当局の検閲に対抗し続けたグーグルの姿勢が問われるなか、共同創業者のセルゲイ・ブリン氏は「(海外企業にとって)難しい国であるにもかかわらず、グーグルは中国で多くの仕事を行った」「アルファベットのそれぞれの事業は、国それぞれで機能するように、独立して決めることができる」と、事業別の参入を示唆した。10月末、米ウォール・ストリート・ジャーナルの取材に応じて答えた。
また同紙によると、新CEOサンダー・ピチャイ氏は、より中国でのビジネス展開に積極姿勢であると公言している。
9月にも、再参入の話は伝えられていた。1年以上前から、グーグルは中国版のGoogle Playアプリストアの開設に向けて取り組んでいた。また、このアプリストアがあらかじめインストールされた中国向けの新しいスマートフォンの年内発売を計画している。しかし、発売には中国政府からの許可が必要で、時期がずれ込む可能性もある。米ウォールストリート・ジャーナルが事情に詳しい関係者筋の話として9月4日に伝えた。
グーグルは今夏、経営組織を大幅に再編した。持ち株会社「アルファベット」を新たに設立し、グーグルは同社の子会社となった。
大紀元は2012年、グーグルの中国撤退の裏の政治闘争を報じている。中国政府の情報筋によると、失脚前の薄煕来と周永康が、中国の検索大手「百度(バイドゥ)」に、反対勢力の胡錦涛前主席や温家宝前首相、習近平氏の不利益になるようなニュースの掲載を指示した。
その「見返り」として、2009年には、中国検索エンジンサービスの33.2%の市場シェアを占めたグーグルを中国から撤退させ、百度の市場独占を約束したという。百度の重慶支社の責任者が中央紀律検査委員会から取り調べを受け、一連の事情を自供したことで発覚した。
(翻訳編集・山本アキ)