生徒の学力調査、上海が3分野で首位 専門家「民族主義教育の結果」

【大紀元日本12月10日】経済協力開発機構(OECD)が昨年実施した国際的な「生徒の学習到達度調査」(PISA)の結果が7日、公表された。韓国とフィンランドがトップの座を占める結果となったが、初参加の上海市の生徒は「読解力」、「数学的応用力」、「科学的応用力」において第1位となり、注目を集めた。日本はそれぞれ8位、9位、5位である。

3年に一度行われる同調査は今回が4回目となる。65カ国の47万人の15歳の生徒を対象に実施されたもので、知識量ではなく、将来、社会生活で直面する課題にその知識を活用する力があるかどうかをはかることに重点が置かれている。通常、加盟国は国として参加するが、中国は非加盟国のため、上海市が地域単位として初めて参加した。

3部門で首位となった上海市の生徒の学力について、元・米連邦教育長官の補佐官チェスターフィンはBBCの取材に対して、「教育分野で米国やOECDの多くの国が上海に負けたことに驚いた」と述べた。中国全体のレベルとは考えていないとしながらも、「10年後、そして50年、100年後、この成績は上海だけに留まらないだろう」と危機感を表した。

また、「今、上海を含む中国の多くの学校では、民族主義教育が実施されている。まじめに勉強すれば、中国は世界一になるという考え方が生徒と教師の頭に注ぎ込まれている。中国ではこれは有効な方法だ」と分析した。

一方、中国で教学の経験が豊富なノーザンアリゾナ大のローズマリー・パパ教育学教授はBBCに対して、中国の教育制度の改善にはまだ時間がかかるとコメントしている。「中国の教育はまだ古詩や物語の暗記をさせている。生徒は真似るのが上手だが、創造的な思考能力はまだ足りない」とし、「思想の自由があれば、状況が変わるだろう」と見ている。

(翻訳編集・高遠)
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