<ウィキリークス> 中国大使、キルギスタン政府買収の疑い 米軍基地の閉鎖のため

【大紀元日本12月14日】機密情報告発サイトウィキリークスが公表した米国駐キルギスタン大使館2009年の外交公電によると、中国がキルギスタン政府を買収して、同国内の米空軍基地を閉鎖しようと働きかけた疑いがある。米国大使が中国大使に同件について質問した際、中国大使はひどく動揺して、事実関係の否定に必死だった様子を公電で詳細に記録している。

番号「09BISHKEK135」の公電文。内容は米中両国大使の面談記録。公電によれば、中国駐キルギスタンの張延年・大使は今年2月13日米国大使と面談した。中国はキルギスタン政府に30億ドルの経済支援を行う見返りに、同国のマナス米空軍基地の閉鎖を求めたという同国政府関係者からの証言として、米大使は中国大使に事実関係の確認を行った。

米大使の質問に対し、「中国大使は明らかに動揺してしまい、一時、熟練しているロシア語で言葉が出なかった。しばらく助手と中国語で話した後、ロシア語の能力が回復した」「米大使に対し、ことは事実無根であり、中国は米軍のマナス空軍基地の使用を尊重・理解している、などと説明に出た」と公電文で記録した。

その後、「キルギスタンの政府関係者と中国政府の間のこの取引の存在をはっきりと否定できるか」と米大使が問い詰めたところ、中国大使はストレートな回答を避けて、「(キーバーの)グアンタナモ米軍基地に収容されていた17人の囚人(注、テロの容疑で米国に収監されたウイグル人)が釈放されたのは、中国への非友好的な行為である」と言い、これらの囚人がドイツに難民として保護されたとの報道に言及し、「これは(中国への)顔面パンチである」と述べるにとどまった。

米大使は引き続き、中国政府はマナス米軍基地の閉鎖を積極的に後押ししているのか、と質問したところ、中国大使は、「我々はここ(キルギスタン)において、ビジネス利益しか考えておらず、投資や貿易を拡大させようとしているが、政治には興味がない」と反論した。

一方、中国大使は、キルギスタンの一部の政府関係者は米ロ両国の影響力をけん制するためとして、中国に同国での軍事基地の設立を提案したと発言し、中国側は軍事基地に興味がないと改めて強調した。「我々にとって、ここには軍事的あるいは政治的な優勢がない。だから、マナス米軍基地を閉鎖させるために30億ドルを費やす必要がない」と語った。

その後、中国大使は米大使に対して、マナス米軍基地の保全へのアドバイスとして、キルギスタンへのすべての関連援助プロジェクトを中止し、代わりに毎年1.5億ドルの現金を提供すると提案した。そのとき、ずっと黙っていた中国大使の助手が突然、「もしくは、あなたたちがキルギスタンに50億ドル渡して、我々とロシアを追い出す」と口を挟んできた。その不謹慎な発言に怒ったのか、中国大使は彼を怒った目でにらみ付けたという。

公電の最後に、米大使のコメントをこう記録している。「今回の面談のテーマに心が乱されたためか、中国大使は説明する際にいくどか、中国国内の経済状況や数百万人の失業者問題により、革命が勃発する可能性すらあると発言した。国内の社会不安を語るのは、中国の外交関係者にとって極めてタブーであり異例なことだ」

(翻訳編集・叶子)
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