中国、この先5年の農産品供給が難局に
【大紀元日本2月8日】先日、中国農業部の陳暁華副部長は農業会議において、中国ではこの先5年間、毎年400万トンの食糧、80万トンの植物油、100万トンの肉類の需要増が予想されると述べた。中国メディアが伝えた。
供給が需要に追い付かないという予想や天候の変化などの影響により農産品価格が上昇し続けている中国では、国家統計局が出した1月中旬の全国50都市の主要食品平均価格変動状況によると、当期に監督測定された29食品中、27種類に価格上昇がみられた。なかでも野菜の価格の上げ幅は顕著で、キュウリ19.9%、ササゲ16.5%となっている。また、食糧価格の上昇などにより、今年、豚肉価格の上げ幅は昨年の平均を大幅に上回るものと予想されている。
農村部の発展研究に従事する学者・馮(ひょう)興元氏は米VOAの取材に対し、グローバル化の下での各種生産要素と人件費の上昇が、インフレの予想と互いに相乗作用をもたらしており、これが政府の最も心配することであると述べた。「インフレへの懸念は農産品価格の上昇につながり、それはさらに農産品を原料とする製品の価格の上昇につながる。その上げ幅は時には茅台酒の値上げで見られたような極端な様相をみせている」と馮氏は値上がりの連鎖を分析した。
国内のこういった供給不足の改善をにらみ、中国は海外での農業生産業への投資を積極的に行っている。豪全国紙「オーストラリアン」先月末の報道によると、中国は豪州各種農業に対する投資、特に2億ドル以下の個人企業に対し興味を示している。これは、この範囲の企業が豪州の外国投資審査委員会が介入する基準から外れているためだという。
VOAは中国の海外における農業投資について、エコノミスト茅于軾氏の考えとして、「双方にとって有利だ」と指摘した。しかし中国政府は政治で経済をコントロールする思考に慣れているため、他国は中国からの投資の背後に政治目的や政治的影響があることを懸念するという。人民元の切り上げ問題からもこのような政治主導の側面が窺えると茅氏は分析した。