大地震から10日目 苦境と希望が伴う日本

【大紀元日本3月20日】大地震、津波、そして核放射線漏洩。11日午後2時46分のM9.0の東日本大地震に伴う3つの巨大災害が日本に同時に襲来してから、今日で10日目。7653人の死者、1万1700人を超える行方不明者で悲しむ日本は、戦後最悪の自然災害に遭っている。

一方、苦境に立ち向かう日本国民の忍と勇気は、世界の人々から尊敬を得ている。「もし世界に終わりの日が来たら、今の日本のようになってほしい」と称える声も海外の人々から聞こえる。

死者・行方不明1万9000人超、避難36万人

時事通信の報道によると、警察庁19日午後11時現在のまとめでは、死者は宮城が4449人、岩手が2501人、福島が647人と多く、12都道県に及ぶ。行方不明者は岩手が4253人、福島が4503人、宮城が2985人など、6県で1万1746人。避難所で生活する人は36万人となり、うち、宮城が約15万5000人、福島が約13万2000人、岩手が約4万9000人。新たに東京や埼玉、群馬など関東地方の各都県で受け入れが始まった。

炉心は冷却状態 水道水から放射性物質

地震により福島原発で放射能漏れが続く事故について、もっとも懸念される3号機と4号機の冷却問題は、命賭けの自衛隊による空中投水後、19日、いい方向に向かった。19日午後、東京消防庁のハイパーレスキュー隊が3号機の使用済み核燃料プールに向けて放水を続けた。東京電力は同日午後7時頃からの記者会見で、「1号機から3号機については炉心を冷却するための海水の注入が続いている」として、炉心が冷却された状態であるとの見方を示した。

また、東京電力は20日未明、福島第一原子力発電所6号機の使用済み核燃料の貯蔵プールの冷却機能が回復したと発表した。

一方、文部科学省は19日、首都圏を中心に1都5県の水道水から放射性ヨウ素やセシウムを検出したと発表した。いずれも国の原子力安全委員会が摂取を制限する基準値を下回っている。

災難に立ち向かう日本国民の忍耐に 世界は頭が下がる

一方、災難の中で日本人が見せている冷静さと忍耐力に、世界の多くの人が感動している。フィナンシャル・タイムズ(FT)のアジア地区編集長David Pilling氏は、今回の東日本大地震について、日本の地震と津波の中で最も印象深いのは、大自然の破壊力ではなく日本国民の冷静さで、このような国民がいる限り、日本の奇跡は終わることはないだろうと語った。David Pilling氏は、日本の四字熟語「災いを転じて福となす」を引用して、災難に立ち向かう日本に祝福を送った。

原発に残って、危険を冒して作業を行う福島第一原発の作業員の行動も日本国内と海外の人々の心に響いた。自分を犠牲にして同胞の安全を守るこれらの無名の日本人を、欧米メディアは「英雄フクシマ50」と称賛し、台湾では「フクシマ50勇士」と呼んでいる。

中国では、宮城県女川町で中国大連からの研修生20人を助けるために津波に呑まれた佐藤充さんのストーリーがネット上で広く伝えられている。日本人の淡々とした冷静さや自律、苦境に立ち向かう勇気などに驚く声が中国のネット上に溢れている。中国国内の学者・許紀リン氏は自分のブログで、日本の地震についてこのように綴っている。「今回の地震を通して日本人は信頼できると感じた……。もし世界に終わりの日が来たら、今の日本のようになってほしい」。

ウォール・ストリート・ジャーナル18日の記事は、災難の中で見せた日本人の優秀な国民性によって、中国人は今まで日本に対して持っていた敵意を尊敬に変えたと報道している。

10日目の日本、災害の全貌はまだ明らかになっていない。余震が続いており、核放射線漏れの危機もまだ予断を許さない。だが、多くの人々はこう信じている。今までの多くの苦境から立ち直った歴史のように、日本はまもなく立ち直る。

(趙莫佳)
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