「いつ責任感ある大国になるのか?」  仏誌、中国の「途上国」肩書き利用を非難

【大紀元日本4月1日】東日本大震災後、日本に義援金や物資を送り、救援隊を派遣するなど、積極的に支援の姿勢を見せている中国政府。尖閣諸島問題以後、緊張が続いていた両国の国民感情が緩和し、冷え込んだ両国関係に回復の兆しが見えはじめた。一方で、欧州フランスの各メディアからは、実際は中国は隣国の震災被害を見過ごし、「日本を見殺しにしている」と非難の声が上がっている。仏誌レクスプレスは中国に対して、「いつ責任感ある大国になるのか?」と題する記事を発表し、「もう発展途上国ではないとはっきり言うべきだ」と指摘した。

先進7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁は18日、東日本大震災と福島原発事故を受けた円高の動きを阻止するため、各国の外国為替市場で円売りの協調介入を実施することに合意した。しかし中国は、日本の最大貿易相手国であり、世界の3分の1の外貨準備高を持っているにもかかわらず、協調介入策に参加しないとの意向を示した。

これについて仏誌レクスプレスはこう指摘する。「すでに国際社会は中国政府の冷たい態度に慣れている。国際通貨基金(IMF)や世界貿易機関(WTO)、国連気候変動枠組条約(UNFCCC)、G20など、自国利益にかかわる問題において、中国政府は自分のことしか考えていない。GDP世界2位になったにもかかわらず、それに相応する責任を果たそうとしない」

さらに、中国が世界の新たな覇者になりつつあるのにそれを否定し、「発展途上国だ」と強調することについて、その肩書きを利用して、国際問題で有利な立場を守ろうとしている、と同記事は指摘する。「中国はすでに『ルイヴィトンの最大の消費国』になったにもかかわらず、2004年以来フランス政府が環境保護のために援助している年間7億7千万ユーロを受け取っている」と、経済力に見合わない援助金などのことについても指摘した。

2008年の経済危機の後、世界の中心はアジアへとシフトし、中国は名実ともに世界経済の舞台の中心になりつつあるが、貨幣と貿易、人道などの分野で負うべき責任を拒否している。

また、西側諸国と同じ土俵に立つものの、中国は独自のルールで動こうとしているという。著作権の侵害、司法環境の不安定性、合併企業の相手側への排除など、多くのヨーロッパ企業のトップは、「中国は決して法治国家ではない」と批判している。

中国の指導者がこのごろ欧州を歴訪し、多くの各国政府高官が中国を「救いの神」と見ているが、同記事は「全くの間違いだ」と記した。これについて、「中国は自分の利益を守ることにしか興味がない。中国の発展に有利な欧州企業を買収しているし、ユーロ圏内の国債を購入したのも、ユーロと米ドルの為替変動を操作するためである。つまり、世界の金融舞台でドルがひとり勝ちする局面を変えようとしている」と国際ルールを無視した外交策を批判した。

記事は最後に、欧州諸国が互いに協力し合うことによって共に発展を遂げようとしているのに対し、中国は対峙と軋轢を利用して自国だけを発展させようとしている、との考えを示した。欧州諸国は中国に「もう発展途上国ではない」と声高で告げ、この事実を受け入れさせるべきだと提言している。

(翻訳編集・高遠)
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