「中国は旧ソ連にそっくり」 ロシア学者、共産党政権の崩壊危機を警告

【大紀元日本5月23日】「中国政府は旧ソ連と同様な過ちを犯せば、つまり、幹部の汚職問題、政権異見者への弾圧、民族政策などを是正しなければ、旧ソ連の二の舞いになり、政権が崩壊する」。ロシアの学者は北京で開かれた政府筋のシンポジウムで、このような警告を発した。

 米VOA18日付の報道によると、最近北京で開かれた「多民族社会における民主構図」と題する同シンポジウムは、中ロ両国の政府筋の学者が参加した。民族間の対立や、多民族の共存などの議題について意見交換を行った。同シンポジウムは今年9月に、ロシアで開催する予定の「世界政治フォーラム」のための準備会議である。

 ロシアの著名ジャーナリスト、政治評論家のシェフチェンコ氏などの学者は旧ソ連の民族政策を批判し、同氏は「中国政府は旧ソ連の道を辿っており、崩壊する可能性がある」との見解を示した。

 ロシアの政府系テレビとラジオで政治評論番組を司会する同氏は、旧ソ連が崩壊する2つの理由を挙げた。1つは旧ソ連共産党の幹部の汚職問題。1つは批判の声を外国の敵対勢力の陰謀と見なして、政権異見者を弾圧すること。「中国政府によるウイグルや、チベットへの統制手段はまさに、旧ソ連のやり方と同じであり、旧ソ連の教訓をくみ取らなければ、中国の統一は持続しない」と氏は述べた。

 一方、ロシアのもう一人の政治評論家パドラビニック氏は、「中国は実に旧ソ連にそっくりである」と語り、上記のウイグルとチベットへの対応のほか、ノーベル平和賞への対応もまったく旧ソ連と同様だと指摘し、旧ソ連での民主活動が評価され、1975年にノーベル平和賞を受賞したサハロフ氏の事例に例えた。

 旧ソ連は民生を無視、中国は労働者利益を犠牲

 パドラビニック氏は、旧ソ連は当時、民生を無視してその経済活動は民衆の利益を犠牲にしていたと述べ、中国の今の経済発展も同様に、労働者利益の犠牲を土台にしていると指摘した。

 「世界中が中国の経済発展に驚いている。しかし、これは中国の格安の労働力資源によるものである。格安の労働力資源はまさに独裁政権の必然的な産物。なぜならば、独裁政権下では、労働者は組合や社会的組織を立ち上げて自己の利益を守ることができないため、不当搾取に耐えるしかないなのだ」と同氏は分析した。

 これらのロシア学者の見解を裏付けるかのように、いま、旧ソ連崩壊直前の状況と同様に、中国国内でも、脱党運動が密かに広まっている。大紀元中国語サイトで共産党とその関連組織「青年団」「少先隊」からの離脱を声明する中国人は9500万人に達している。旧ソ連でも崩壊する時は党員の22%となる420万人が共産党からの離脱を声明していた。

 

(翻訳編集・叶子)

 

関連記事
中国共産党が7月に反スパイ法を改正し、邦人の拘束が相次ぐなか、外務省が発表する渡航危険レベルは「ゼロ」のままだ。外交関係者は邦人の安全をどのように見ているのか。長年中国に携わってきたベテランの元外交官から話を伺った。
日中戦争の勝利は中華民国の歴史的功績であるが、これは連合国の支援を受けた辛勝であった。中華民国は単独で日本に勝利したのではなく、第二次世界大戦における連合国の一員として戦ったのである。このため、ソ連は中国で大きな利益を得、中共を支援して成長させた。これが1949年の中共建国の基礎となった。
香港では「国家安全法」を導入したことで、国際金融センターとしての地位は急速に他の都市に取って代わられつつある。一方、1980年代に「アジアの金融センター」の名声を得た日本は、現在の状況を「アジアの金融センター」の地位を取り戻す好機と捉えている。
米空母、台湾防衛態勢に 1月29日、沖縄周辺海域で日米共同訓練が挙行された。日本からはヘリコプター空母いせが参 […]
上川陽子外務大臣は、パナマ在留邦人及び進出日系企業関係者と昼食会を実施した。日・パナマ間の経済分野における協力の可能性や課題、教育などについて、意見交換を行った。