「疑われる豊作」 中国、国家食糧備蓄が低下 食糧安全保障が懸念される

【大紀元日本6月17日】中国の農業相が5月31日に、中国の小麦収穫量の90%以上を占める冬小麦は8年連続で増産との見通しを示した。北部の生産地のほとんどが今年は干ばつに見舞われていた上、増産の根拠となる数字も明らかにされていないことから、この発表に疑問の声が上がっている。

そんな中、新華社系列の週刊誌・瞭望が13日に「東北の食糧備蓄庫、調整機能が懸念される」という記事を掲載。中国の食糧生産においてもっとも重要な地域・東北地区の国有食糧庫はいま、食糧備蓄が減少したまま、有効な補充もできていないため、備蓄食糧に期待される市場調整の機能が果たせない恐れがあるという。

黒龍江省では昨年から、一部の国有食糧庫は備蓄食糧の買い入れ目標を達成できていない。同省鶏西市にある食糧庫の責任者は瞭望誌に、倉庫容量の20万トンに対し、政府が設定する購入価格が市場価格をはるかに下回ったため、備蓄食糧の買い入れはできず、民間企業に委託された1.2万トンの代理仕入れを行っただけだと明かした。同省南部の「民主倉庫」は5万トンの食糧を貯蔵できるが、いまはがらんどうになっている。

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