【食品問題】中国乳業専門家「90年代生まれは本物の牛乳を知らない」

【大紀元日本6月28日】中国で乳製品の新国家基準が施行されて1年あまりが経った現在、各方面から相次いで疑問の声が上がっている。24日には、「専門家:90年代以降に生まれた人は、本物の牛乳を飲んだことがない。乳製品の新国家基準は健康を笑いものにしている」という論説を中国時刻網が発表。中国西部乳業発展協作会の執行副会長である魏栄禄氏が乳製品の新国家基準の細菌数について、25年前は50万/mlであった基準が現在200万/mlに引き上げられた事実は、牛乳の安全基準に完全に違反するものであると指摘している。

「今の牛乳には香料や添加剤が加えられている。これを牛乳と呼べるのか。(細菌数が)200万/mlとは、搾乳牛舎に蠅が飛び交っている状態だ。おそらく90年代以降に生まれた子は本物の牛乳を飲んだことはないだろう。今の牛乳は牛乳に見せかけた商品だ」

報道によると、この新基準はメーカーの都合で制定された疑いがあるとして、食品の安全確保が保障できないと指摘している。魏氏は現在の乳製品市場を深く憂慮している。

牛乳に対する国家基準は世界最低か

先日、福建省福州市で行われた酪農関係者による討論会の席で、広州市酪農協会の王丁棉理事長が、中国の乳業界の基準は「世界最低である」と悲嘆の声を上げた。「この最低の基準で作られた乳製品は輸出しようとしても、すべて返品されており、国内で消費するしかない」

新しい乳業安全基準によると、たんぱく質の最低含有量は元の基準だった2.95g/100gから2.8g/100gへと引き下げられており、先進国の3.0g/100g以上という基準より低い。また、1ミリリットル中の細菌数は元の50万個から200万個と引き上げられ、米国や欧州の基準値である10万個の20倍であり、日本の基準値である5万個の40倍となる。

業界関係者:「極めて乱れた中国の乳製品市場」

「中国の乳製品市場は非常に乱れている」と、業界関係者の劉堅さんは語る。メーカー数社が中国の乳製品を乱しており、多くの企業には良い乳製品を作ろうという意識はなく、派手なパッケージを重視した新商品を消費者に買わせているだけ、と指摘する。

海外の乳製品市場は中国のように決して「派手」ではない。海外の乳製品企業が中国へ来て、その品数の多さに目を見張っているわけだ、と劉さんは話している。

(翻訳編集・坂本)
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